青年達の空

梶丸

第1話プロローグ、(哀しき旅たち)

第1章遠き日の想い出



1933年(昭和9年7月)



昨日までの雨が嘘のように良く晴れた蒼き空に


飛行機雲が描いた雲その下の小高い原っぱで、


幼い頃の亮平(りょうへい)と妙子(たえこ)が座っ


てい た、亮平が呟くいつか、パイロットになっ


て世界中を飛びたいと………


第一次世界大戦が勝利で終わって、束の間の


平和な時代


しかし、じわじわと戦争と言う黒い陰が近づいて来ていた。


第一章


[ それぞれの旅立ち]


まだ夜も開けきらない、時間に自分の部屋で


荷造り確認の合間、幼い頃にの兄と共に写った


写真を眺めて居ると玄関から幼なじみの妙子の 声が聴こえてきた。


「妙子」


[おはよう!亮平起きてる?]


「亮平の父」


[おはよう、たえちゃん、隼平なら2階に居る


から上がりなさい。]


少し咳き込みながら、湯のみのお茶を含み


また布団に横になる、


2階の亮平の部屋に行く妙子、

トントントン


襖を開け、中に入るとそこには、軍服姿の


亮平が佇んでいた!


「亮平」

[おはよう!たえちゃん!!]


少し恥ずかしそうに妙子に微笑んでいると


「妙子」

少し頬を赤らめながら、その姿を魅入った。


「妙子」


[おはよう!亮平!!]


魅入っていた自分を隠すかのように亮平の

軍服姿をはやし立てる。


「妙子」


[馬子にも衣装ね、けど、正平兄ちゃんの方が素敵だったけどね、]


「亮平」


少しムッとしながらそれでも優しく妙子を見つ


めながら、見つめながら、静かに口を開いた、


「亮平」


[確かに兄ちゃんはカッコ良かったよね。]

「亮平」


幼き日に正平が軍服姿で優しくだっこして


語った事を思い出していた


「正平」


[亮平、兄ちゃんの分もお父さんの事をよろ

しく頼むぞ!!]


「幼き日の亮平」

[うん!!任せてよ! 兄ちゃん!!]


見つめながら、静かに口を開いた、



そんな事を思い出して、2人で静かに幼き


日の頃の兄と2人で撮った写真の隣にある、


正平が零戦に搭乗して居て隣に同じぐらい


青年と写る写真を見みながから、

「妙子」


以前から正平の隣の青年が気になっていた。

戸惑い気味に亮平に聞いてみる事にした……


「妙子」

[亮平、以前から気なっていたんだけど、聞いて]


良いかなぁ?


「亮平」


[???何を???]


「妙子」


[正平兄ちゃんの隣に写ってる、人って誰なの?


隣で仲良く写ってるし、だいたい一緒に写って


るよね?]



「亮平」


[ああ!(笑)、その人かなんでも兄ちゃんの親友


何だって、訓練所の同期でしばらく同じ部隊に


いた人だよ!名前は書いてないから分からな


いけどね。]


「妙子」


[そうなんだぁ](あまり納得はしない様に)


曖昧な返事をしながら、写真を眺めてる。と


したから、妙子の母親が呼びかける、







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