誰かが教えてくれると思ってた
今日、買い物から帰ってきた時、マンションに住んでるお母さん方が会話してる内容が聞こえてきてしまった。何でも、そのお母さんの息子さんの友達が、ネットに悪口を書かれてるらしいということだった。
美智果の通う学校は、学校内でのイジメについてはすごく熱心に対応してくれる学校だった。聞くところによると中学もそうらしい。
だから学校内でイジメみたいなことをしてると指導が入るそうなんだけど、さすがに学校外のことまでは目が行き届かないみたいだな。
もちろん、学校としてもネットの使い方とかについてそれなりに指導はしてくれてるとしても、実際にすべて監視するというのは現実的じゃない。身元を明かさずにやってれば、それこそどこの誰かも分からない。
そのお母さんは、息子さんの友達がかなりショックを受けてて、法的に告訴に踏み切るべきかどうかを親御さんが検討してるらしいってことも言ってた。
僕は、その話を耳にして、情けない気分になった。
ネットでその子の悪口を書いてるという人は、何のつもりでそんなことをしてるんだろう。しかも、告訴とかされたら大変なことになるのにな。
誹謗中傷されたということでちゃんと手続きを踏んだら、身元がバレてしまうんだよ? やってる本人は匿名で分からないと思ってるのかもしれないけど、そうじゃないんだよ?
悪口を書いてるのは、同級生の可能性が高いってことだった。だとしたら中学生か。ネットが匿名だと、ネットに隠れてたら大丈夫だと思ってるんだろうか。その子の親は、そうじゃないんだっていうのを教えてあげてないんだろうか。
僕はもう美智果にそういうことは教えてある。ネットは本当は匿名なんかじゃないって。違法なことをしたらしっかり調べられて特定されるんだって。そしたらあの子はちゃんと分ってくれたよ。
親は、そういうことを教えてあげて欲しい。学校で教えてくれる筈とか思わないで、ちゃんと親の立場で教えてあげて欲しい。子供の成長に自分が関わってるんだっていう自覚を持ってほしい。
大事なことは、自分の口から伝えてあげて欲しいんだ。
『誰かが教えてくれると思ってた』とか、『自然に分かると思ってた』とかじゃなくて。そんな風に逃げないで。
悪口を書いてた子の両親は、訴えられたら何て言うだろう。『なんてことしたんだ!!』って自分の子供を責めるだろうか。
だけど僕は言いたい。
『あなたがちゃんと見てなかったからですよ』
って。
まあ、実際には面と向かっては言えないけどさ。でも、そう言いたい気分なのは正直なところなんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます