第26話 修学旅行の終わり
修学旅行もついに最終日に入ったのだが、昨日と何かが違っていた。一体何が違うのか必死に考えながら辺りを見回して気がついた。そうだ、マキちゃん達がいないんだ。
私に何も言わずに帰って行ったとはとても考え難いけど、きっとマキちゃんにも色々とやる事があるのだろうと自分に言い聞かせた。
そういえば最終日ってお昼まで自由行動なんだっけ、マキちゃんにお土産買って行った方いいのかな?でも、昨日まで居たしなぁ。
とりあえず買っておこうかな、日頃の感謝も込めてってことにして。そうと決まればまずは何処に行くかを決めないと・・・
「おはよ、シロちゃん」
「あぁ、モネ。おはよう」
「今日はマキさん達いなかったね」
「仕事しに行ってるんじゃないかしら?」
「あはは、そうかもね〜」
「今日が最終日だけど、あなたは何処か行くの?」
「ううん、行かない。部屋でゆっくりしてるよ」
「そう」
「シロちゃんは出かけるんだね」
「えぇ、お土産を買わないと」
「昨日まで居たのに渡す理由ってあるの?」
「私もそう思ったけど、なんかこのままだと修学旅行ぽくないかなって」
「ふーん、まぁ行くんなら気をつけてね」
「わかってるわよ」
モネと会話を終えた後、シロは旅館を出て辺りを散策していた。
マキに似合いそうなものを探しながら歩いていると、簪のお店を見つけた。
そこでシロは初日に見た着物姿のマキを思い出していた。気づけばシロは目に止まった簪を購入していた。
この際なのでシロは着物も買って行こうとしたが、着物を買うほどのお金が残っていなかった。
それもそのはず、二日目の買い物の時間に所持金の半分近くをおやつや自分へのお土産にお金を使いまくっていたのだ。
その時近くにいたみんなの表情は完全に引いていた。あのモネでさえ苦笑になるほど男気のある買い物だった。
ともあれなんとかマキへのお土産は確保できた。
でも、本当にマキちゃんは何処に行ったんだろう。もう先に行っちゃったのかな。
そうなると必然的にあいつと二人きりになるってことだよね・・・何も起きてないといいんだけど。
シロが戻ってから数分後、担任から集合の連絡がかかり、旅館の玄関前に集合した。
色々あった修学旅行だったが、ちょっといい思い出もできたけど、ライバルが一人増えてしまった。
これからどうやってマキちゃんを諦めさせよう、モネは結構しつこそうだし一筋縄じゃいかないかも・・・
とりあえずモネにはマキちゃんと住んでることは秘密にしておかないといけないわね。
後、家に帰ってからマキちゃんにあそこにいた理由聞いておかなくちゃ。
「シロちゃーん、お菓子食べる?」
「頂くわ」
「あれ、そこの残骸は?」
「気にしなくていいわよ、もう空だし」
「もしかして、いつもそんなに食べてるの?」
「いえ、いつもより少し少ない方ね」
「お家の人大変そうだなぁ・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます