第22話 いざ、修学旅行へ
とある日、昼休みを終えてシロが席に着いていると周りがそわそわし始めていることに気がついた。
この後何かあったのだろうか?そう思っていた時、担任がクラスに入って来た。
「はーい、みんな。今日は修学旅行の班決めをするわよ〜」
「「はーい!!」」
「修学旅行楽しみだな!!」
「一緒に組もうぜ!」
「どこに行こうかしら」
「迷っちゃうよね〜」
「し、修学旅行・・・!?」
みんなが修学旅行のことで頭が一杯になり騒いでいる中、シロのみが別の事に気を取られていた。
そう、修学旅行に行くということは即ち、マキと二日間の間離れる事になるのだ。
この学校の修学旅行は二泊三日で行き先は京都になっている。
クラスのみんなとしては楽しみな気持ちでいっぱいだ。
シロだって楽しみではある、のだが気掛かりなのがマキ、そして菜々の存在だ。
もし、自分がいない状態で二人きりの状態になってしまったら?マキちゃんが事故に巻き込まれてしまったら?
そう考えると恐ろしくてとても行けたものではない。どうにかしてマキちゃんも連れて行きたいが、それは無理な話だ。
私もある程度は我慢しないと、そうだマキちゃんがいなくても私はやっていけるしマキちゃんも大丈夫だろう。
余計な心配はせず、今を楽しもう。
クラスで班を決めた所で今日の授業は全て終わった。
帰りのHRの時には修学旅行に必要な物の一覧が書かれたプリントが配られた。
帰宅してから、マキちゃんに見せると何故か自分のことのようにテンションが上がっていた。
「マキちゃん、嬉しそうだね」
「だって修学旅行よ?いけるのは一度きりなんだから思いっきり楽しんできなさい!」
「マキちゃんも一緒に行かない?」
「さすがに私は無理よ、仕事もあるし」
「・・・そっか、そうだよね」
「とりあえず必要なものとかは明日まとめて買ってくるから」
「うん、ありがとう」
マキちゃんは私と離れるのが辛くないんだ・・・私だけ、だったのかな。
・・・いや、そんな事はない。きっと、心の底では寂しいと思ってくれているはず。
私一人で寝られるかな。今の内に慣れておかないと・・・頼りたくはなかったけど、あいつのところにも行かないと。
そうして時間は流れて行き、修学旅行当日となった。
荷物を一人で運ぶには流石に重いので、行きはマキも一緒について行くことになった。
学校に着くと、既に待機しているバスに荷物を入れてシロは担任の先生に連れられて学校の中に入って行く。
その間、マキはシロに手を振り続けていた。マキはシロを見送ると、そのまま家まで帰っていった。
マキが見えなくなるとシロは一瞬落ち込みはしたものの、すぐさま元気を取り出した。
これがシロにとって初めてのマキと一緒ではない遠出となる。
多少の不安を抱えながらも、前日にマキに作ってもらったマフラーを握りしめて、みんなと一緒にバスに乗り込んだ。
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