置き土産

勝利だギューちゃん

第1話

人はいずれ、その魂が器から抜けだし、

あの世へと旅立つ。

その時に、持っていけるのは想い出だけ。


後は何も持っていけない。


「そんなの買っても無駄じゃない」


そう、無駄だ。

しかし人間とは、その無駄を楽しむ生き物。

楽しまなければ、他の生物と変わらないか、それ以下。


つまり、無駄を楽しむ事により、人は進歩出来たのだと思う。

あらゆる面において・・・


「見たことないキャラクターだね」


そう、今は国際的なキャラクターも、最初は無名だった。

それが、あらゆる幸運が重なって、今日の立場を得た。


しかし、その幸運を引き寄せるのは、その人次第なのだ。


でも、宣伝は誰もしてくれない。

誰もしてくれないのなら、自分で宣伝するしかない。


しつこいと言われようが、まずは知ってもらう事が肝心だ。

器から抜け出すその時まで・・・


「迎えに来たよ」

「随分と急だな」

「向こうで、魂のストックが、なくなってね」


挫折しかかって、自ら終止符を打とうとした時、

止めに入った天使・・・


死神なのだが、怒るので天使にしておく。


「だが、どうして俺の魂を」

「君は、心残りはある?」

「いや、満足だ」


そう、俺は幸運を掴む事が出来た。

後は、末長く幸せになってくれることを・・・


「じゃ、行こうか?」

「ああ」

「忘れ物はない?」

「持っていけないだろ?」

「そういう事ではなくて・・・」


あっ、ああいう意味か・・・


「いや、ない。」


天使は微笑む。

「いい置き土産が出来たね」






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置き土産 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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