第14話 信じる大切さ
「レンさん…ナーガさん大丈夫ですかね…」
シロウは階段を走り登りながら話しかけて来た。
俺だって不安だし心配だ。大丈夫なんかどうか分からない。でも…信じるしかない。これ以上不安を持つことはしたくない。
「大丈夫だろ!それにルークの右腕だぞ?俺達は俺たちの出来ることをしよう!」
「そうですね…分かりました!」
俺達は長い螺旋階段を走った。
そして…階段を登りきった!
階段を登りきった先は大きな広場になっておりその奥にさらに階段があった。おそらくそこが全ての元凶が居住まう場所なのだろう。
俺達はその奥の階段の先にある扉に向かって走り出した。
「ハッハッハ!よく来たな!」
男の声がする。
「ちょっと待ってください!」
キャンディが片腕をとっさに広げた。
俺も気配を感じ取った。
「レン…この魔力…ヤバイわよ…」
「あぁ…さっきの風女とは比べものにならない…とてつもなく大きな力だ…」
男がこちらに歩いて来た。
「あんたらがお客さんかい!でも残念ながらここから先には行けないから帰ってくれ!」
腕を組ながら男は笑顔で喋りだした。
「レンさん…あの男…」
「あぁ…凄い強いな…」
シロウも気づいたかあの男の魔力…ビビらないといいんだけど…
「筋肉凄いですね!」
いや、筋肉も凄いけどそっちじゃねーよ…
何コイツ?バカなの?
男は口を開いた。
「ここから先に行きたいなら俺に勝ってから行ってくれ!誰から来てもいいぞ!」
カレンが口を開いた。
「レン…ここは私とシロウに任せて先に行きなさい。」
「ええ!?ちょっと!?カレンちゃん!?あんな筋肉マッチョのボディービルダーみたいなやつに勝てるわけ無いでしょ!?」
「筋肉関係無いわよ!あぁー!もう…
アンタほんと幸せな奴ね…」
「カレン…お前とシロウじゃこいつには勝てないぞ…それは出来ない。」
「何でよ!?こっちには時間が無いのよ!?キャンディさんとアンタが行ったら必ず勝てるわ!私たちは時間を稼ぐだけよ!」
俺はもう仲間を…
「レンさん…ここは俺からもお願いします…」
「シロウ…」
シロウは目を光らせながらまっすぐこちらに向いた。
「ここは俺たちを信じてください。俺はレンさんを信じます。だからレンさんも俺を信じてください。」
コイツがこんなに真面目に言ったのは初めてだ…でも…
「レン…行きましょう。仲間を信じましょう。私達は出来ることをしましょう。」
「くそっ!…お姉ちゃん!行くぞ!」
「えぇ!」
俺とキャンディは走り出した!
「ハッハッハ!そうはさせんぞ!」
男はそう言うと走り出した俺達に向かって手のひらを向けた。
衝撃波が走っている俺達にもの凄いスピードで向かってくる。
「寸激一閃の構え」
シロウは光のようなスピードで俺たちの目の前に現れ、衝撃波を剣で受け止めた!
「レンさん!早く!」
「すまない…!」
俺達は勢い良く扉前の階段をかけ上った!
「それ以上行くとシャレにならんからな。残念だがそこでストップだ。」
「
男は指先から巨大な黒い炎の塊を形成し俺たちの方へ飛ばしてきた!
「レン!そのまま走り抜けなさい!」
カレンの声だ。
「そんな簡単に止められると思ってるの!」
カレンはキャンディと俺の前に魔方陣を描いた。
「炎の
ドドドド!!男の魔法とカレンの魔法が均衡している!
「くっ!今よ行きなさい!早く!」
「あぁ!任せろ!」
俺はもう吹っ切れていた。ここは仲間を信じてみる事にした。
「お姉ちゃん!行こう!」
「えぇ!」
俺とキャンディは勢い良く階段をかけ登り、扉を開けた!
男は笑いながら喋りだした。
「ハッハッハ!少年少女よ!やるな!俺の魔法を止めるとは見事だ!」
「私は大魔道士だから!当然よ!」
「お、俺だって大剣豪の一番弟子だからな!」
「だが…俺には勝てない!」
男はもの凄いスピードでカレンに近づき腹を殴った。
「カハッ!」
「カレンちゃん!」
「倒れないか!やるな!とっさに防御魔法をかけたか!その判断力と反射神経は素晴らしいな!」
「ハァハァハァ…」
カレンは腹を抑えてる。
この男…私の防御魔法を貫通させる何て…しかも普通に殴っただけで…もしも間に合って無かったらまずかったかも…
「ではもう一度どうだ!」
男は拳を振り上げた!
「はぁぁぁあ!」
ドン!シロウは刀で男の拳を受け止めた。シロウがいた地面は大きな穴が空いた!
「アンタ…」
「カレンちゃん!くっ!ここは一旦下がって体勢を立て直して!俺がその間は時間を稼ぐから!」
「そうするわ…ありがとう…」
カレンは後方へと歩いて下がった。
「少年よ!やるな!もっと俺を楽しませてくれよな!」
この筋肉…ヤバイくらい強い…
――同時刻 協会 1階 ――
ドン!ドン!激しい攻防が繰り広げられている!
「…お主…中々やるのう…」
「俺はまだ本気を出していないぞ。弱いな貴様は」
「えぇい!ほざけ!」
女は奥義で巨大な風を起こした!
竜巻のような風がナーガに向かってくる!
「どうじゃ…これで貴様もしまいじゃ!」
「天文…八十八式魔方陣…」
見たことも無い紫色の魔方陣が女の下に浮かび上がった。
「な、なんじゃこの魔方陣!?貴様は一体何者じゃ!?」
「俺は…ルーク様の右腕だ」
「
女の下の魔方陣から霧の用なものが充満する。竜巻は一瞬で闇に飲み込まれた。
「な、なんじゃこの霧は!ッ…!?」
女の体は徐々に溶けはじめていた。
「この霧は死神が使うとされてる死の霧だ。対象の体は溶け何も残らなくなる。」
「体が…わらわは…そうか、そう言うことか、お主…まさか…」
「あぁ…俺は死神だよ…ってもう死んだか。」
女は既に溶け無くなっていた。
「早くレンさんの所へ行かなければ…」
――協会 扉前――
「レン…行きましょう。」
「あぁ、お姉ちゃん!」
ここを開けた先に…よし!
俺は思いっきり扉を開けた!扉開けた瞬間、もの凄い力の魔力が俺たちを襲う!
「何だこの魔力…」
「レン…大丈夫ですか…」
俺とキャンディは魔力の重圧に耐えながら真っ暗の奥に進んだ。
ボッ!急に青い炎がついた。
青い炎は両端にありそれぞれ連続してついていった。
「何だこれ…」
「ワシの楽園に何用じゃ…」
ドン!また大きな重圧が掛かる!
「出たな…元凶…」
「会長…また来ましたよ…!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます