変わらないこと

扉を開けたらそこは異世界だった。

「悪魔め!また人間を誑かしおってからに。今度こそ成敗してやる!」

不細工な・・・うん、不細工な天使が、イケメン悪魔に向かって剣を振り下ろしている。ここは廃れた教会の中のようで、先程から中々に凄まじい争いを繰り広げている。

「ふん、天使の野郎また何か言ってやがる。欲望に忠実なことは良いことだ、清廉潔白な人間など面白味のかけらもない。それにな天使さんよぉ〜、俺がいなけりゃ欲望も生まれないわけでな?欲望がなかったら文明は進歩しなかったわけさ。つまり、人間を手助けしてやっているのは他でもないこの俺というわけだ。」

なにかよくわからないが、僕は悪魔に一票かな。イケメンだし。

「この戯けがー!」

天使語彙力ないし。

「おい、お前か!勇者は。さあこの悪魔めを成敗してくれ!」

「いや、お前は俺のしもべだろう。一緒にいいことをしようじゃないか。因みに三食昼寝付きでお望みとあらば男でも女でも選り取り見取りだ。損なことと言えばこの天使が敵に回るくらいじゃないかな?」

どこの世界でも悪魔の方が魅力的である。

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