Can't tell

床町宇梨穂

Can't tell

彼女が電話してこない。

なにかイベントがあれば必ず電話してくる彼女がしてこない。

理由は簡単だ。

何か僕に言えない事が起こったらしい・・・。

想像してみる・・・。

彼氏ができた・・・。

もしそうだったらすぐに教えてくれるはずだ。

だって僕達は今までお互いに恋愛感情を持った事は無いし、これからもないだろうから・・・。

じゃあ何で、彼女は電話してこないのだろう?

出会って間もない男としてしまった、もしくはただの友達と寝てしまった。

多分これだ!

こんな事が起これば彼女は絶対に僕には言わないだろう。

僕としては、彼女は独身だし、たまにはそう言う事があってもいいと思う。

しかし、彼女は僕にそんな軽い女だと思われたくないから口が裂けてもそんな事を教えてはくれないだろう・・・。

でも彼女が僕に知られたくなかったのなら、彼女は僕に電話してくるべきだった。

彼女のちょっと抜けたところはそんなところにあるのかもしれない。

彼女自身は自分できれる女だと思っているし、まわりもそう思っている。

でも僕にはそう思えない。

あるいは、彼女自身が僕の事を馬鹿だと思っているのかもしれない。

どちらにしても、彼女はちょっとだけミステイクをしてしまった。

僕は彼女に問いただすつもりはない。

僕にとってはどうでもいい事だし、僕が詮索するのはおかしい。

ただ僕は彼女のつらそうな声を電話越しに聞くのが嫌なだけだ。

・・・・・・。 ・・・・・・。 ・・・・・・。

なんだかんだ理屈を並べても僕は彼女が心配でしょうがない・・・のかもしれない・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Can't tell 床町宇梨穂 @tokomachiuriho

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る