第82話 見る


温泉から出て、着替えを済まし、マリーの家まで帰る。


マリーから借りたのは、簡易なドレスの様な感じの服だった。


こんな女の子っぽい服を着たのは初めてで、足がすごく寒い!



「アシュレイ様、スッゴく可愛くてキレイです!それ、私が部屋着にしているのなんですけど、凄くお似合いです!」


「マリー……恥ずかしい……」


「うぁぁっ!可愛すぎるぅぅっ!」


「本当に貴族のお嬢様みたいな感じに見えるわ。これなら誰も男とは思わないわよ。」


「き、着替えたい……っ!」


「今日はダメです!さ、家に入りましょう!」



2人に促されて、家の中に入る。



テーブルで、マリーの父親ガルフとセルジは、2人で酒を飲みながら話しをしていた様だ。



「セルジ……アシュレイ様はやっぱり女の子だった……」


「マリー、おかえり!そうか、それなら良いんだ。良かったよ………っ!!!」



セルジが振り向いて私を見る。





見る。





見る。





見る。





ずっと見る。





ずっとずっと見る。





ずっとずっとずっと見る。





ずっとずっとずっとずーっと見続ける。






「セルジ、見すぎ。」


「…………。」


「セルジ!」


「え?!あ、マリーっ!」


「いや……驚いた…。これはなんと……美しい……」


あなた・・・っ!?」


「え?!あ、ソフィアっ!」



マリーの母親はソフィアと言うんだな……



「アッシュ……スッゴくキレイだぞっ!」



霊体のレクスが顔を赤らめているように見える。


私も凄く恥ずかしくて、本当に顔から火が出そうだ。



「アシュレイさん、今日はマリーと寝てくださいね。」


「あ、そうしますっ!おやすみなさいっ!」


「お父さん、お母さん、おやすみなさい。アシュレイ様、いっぱいお話ししましょうね!」


私の腕に腕を絡ませて、マリーは嬉しそうに部屋へ案内してくれた。



残った男達は、ただ呆然と、その行く末を見ているだけだった……








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