第105話 握手

「 握手 」


みあげる間もなく雨粒は降りてくるから

どこかに流さなくてはいけない流さないこと

 には必ずどこかに溜まってしまい

それはもう手に負えなくなる

からだを沈めたくはなかったけれど

いつの間にか膝を越えて

胸を越えて

肩を叩くように挨拶してくるから

そんな日はいつも沈んで泣きはらしてしまう


その声はどのあたりにも響かない

それでもわたしは手を伸ばしていく

伸ばした先に触れるのは

冷たい手?

たどることを忘れたくなかったそれでもその

 手を握りそれが冷たくてもわずかにうごく

 それはせいめいの証し

やがて雨がやむ

いつのまにかその手は固く握りかえし

骨で骨がつながるはっぴーばーすでー




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