第17話 林檎

「 林檎 」


テーブルに並べてあった林檎を手に取って

小さなナイフで剥いてしまった

もちろん皮はつながっている

( 皮の一つに手を掛け

  階段を上がって行ったら

  どのくらいの量の荷物を受け取ることが

  できるのか考えていた )


あまりに沢山の林檎があったから

( このまま置いておいたらみんな腐ってし

  まうんじゃないかって

  あなたは心配していた )


なぜ林檎が美味しいことが林檎に解るのか

自分の身を甘酸っぱく美味しくするなんて

( わたしには解らない )


きょうは上手に剥いた林檎を手に取って

その甘酸っぱい身を口いっぱいに頬張る

傷んだものはジューサーで砕いて果汁にして

 しまう

( 林檎を粉々にする )


( 鈍くひかりを宿して輝いているあなたへ

  )

あなたはいつでも笑窪を浮かべている


あなたはいつだってこんなにも魅惑していた

 !

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