“おめでとう” その言葉で始まる物語

空のかけら

おめでとう

“おめでとう”


そんな言葉をもらった。

僕がまだ小さい頃のお話だ。


初めは、どういう言葉なんだろうと思っていた。

その言葉の意味を知った時、僕も使ってみたいと思ったけれど、まだうまく言葉にできなかった。


それは、分からないけれど、言葉を出すための器官がなくて、“おめでとう”と言えなかった。


でも、僕を生みだしてくれた…が、そのうちに言えるようになるって言ってくれた。


僕はまだ何の力も持たない。

これから、どんどん成長して、大きく、そして救える命に対して救済という名の活動を行っていく。


先に生まれた…は、ほとんどがその任務についている。


善悪はもとより、何も知らない僕がそこまで成長できるかどうかは、今後の成長にかかっている。



             “おめでとう”



その言葉は、生みだしてくれた…だけじゃなくて、僕の未来の姿を持つ…全員からの祝福の言葉だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

“おめでとう” その言葉で始まる物語 空のかけら @s-kakera

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ