第16話 初台御殿
時計の針が午前零時を跨ぎ、重力の作用で真っ逆様に下降していくかのように時間がどんどん過ぎていきました。私たちはいつまで警察署にいなければならないのだろう、明日仕事を休まなければならないのだろうかと心配しましたが、程なくして雅美さんと私は捜査を妨害する可能性が低いと判断されて一旦返されました。ただ、いつでも連絡が取れていつでも捜査に協力することを約束させられました。要するに警察の監視下にいろということです。「クロではないがシロでもないグレイだから大人しくしていろ」と、まあ平たく言えばそう言われたようなものなので、雅美さんはとりあえずは家に帰ることができ仕事にも出かけられるから良いが、「大人しくしていろ」の部分で今一つ合点のいかない顔つきをしていました。私はやっと解放されたので、ほっと胸をなでおろしました。そんな私を見て雅美さんは、
「ウチに来てとりあえずシャワーを浴びませんか」と提案してくれました。
「はぁ、そうですね、どうしよう、どうしよう」
「はい、こっちこっち」
どうにも優柔不断な私を雅美さんは引っ張って行きました。
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