テンプレ41 「主人公VS魔王 その1」
ヤマトがテンペストへの対抗手段を編み出した頃、騒ぎを聞きつけた魔物の兵士たちが駆けつける。
獣人やエルフ、ドワーフ、亜人などなど。
側近の美少女たちほど豪華絢爛な装備の者はいないが、それでもなんらかの魔法が付与された装備を持って集まっていた。
「おいおい、これは多すぎじゃね?」
アリの呟きを無視しながら、イスズは杖の時と同じように人間状態のアリを鈍器として最前列にいた盾持つ獣人に叩き付ける。
確かにダメージは与えたようだが、普段に比べ効果が薄く、イスズも手ごたえのなさに眉根を寄せる。
「ちょっ! 杖に戻ってからにしてくれよ!!」
イスズは面倒そうにしながらも、アリが杖に戻る為に数秒待った。
そして、戻ると共に、再び叩きつけようやく盾を弾いた。
「イスズ! こいつは衝撃吸収の効果つきだ! 吸収できないくらい連打だッ!」
「言われなくてもッ!!」
イスズは何度も殴りようやく1人倒す。
クロネもその間に危なげなく1人倒していたが、数の多さに
「時間がかかる上に、面倒ときたか」
唾を吐き捨てるように呟き、アリを握る手に力を入れた。
その時、兵士たちの中央に位置し、カメラを構えていた人魚のルイが悲鳴をあげた。と、同時に兵士たちにざわめきが走り、攻撃も防御の手も止まる。
そこにはざわめくに足る光景が広がっていた。
魔王テンペストがヤマトに切られ、
「良くやった」
ぽそりと誰にも聞こえないように呟くと、兵士たちの戦意を完全に奪う為、近くの兵士を見せしめに倒そうと一歩踏み出すと、魔王の言葉が聞こえて来た。
――ま、待て! 我は本当は魔王なんてやりたくなかったんだ! こんな座なんて今すぐ誰かにくれてやる。こんな城もいらんッ!――
――ぶ、部下も置いていく。我には数人のハーレムが居れば充分だ。今すぐ出て行く。だから見逃せ!――
それらの言葉を聞き、クロネは拳から血がにじみ出る程強く握り締める。
アリは、「おいおい、今のはよぉ」と全ては口にしないが、怒りを
そして、イスズは、
「ヤツは上に立つ者として言っちゃあいけない一線を越えた」
ドンッ!!
轟音を響かせ、アリを地面へと突き刺す。
クロネに目配せでアリを使うよう促し、手に取らせる。
「こいつらはお前らがなんとかしろ。できるな?」
「ああ、魔法使いと組んだオレの力見せてやるよ!」
「……大丈夫。イスズは?」
「あの魔王とかいうヤツは、クロネの想いを踏みにじり、ヤマトの努力を
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