第3話部屋に爬虫類?がいた話。
私の趣味はようつーべで動画を見ることです。
今日も今日とて勉強を学校指定のバックの中に固く封印して、パソコンで動画を見始ました。
私がようつーべで見るものは、大体ゲーム実況か、曲を聴くことが多いです。
その日は、男が脱糞する歌を聴いて猿レベルの知能の飲み会のコールを歌にしたものを聴いて、さて次の曲……とマウスを動かそうとしたときに、事は起こりました。
「ん?」
いつもに比べて反応が悪いのです。正確には上手くマウスが動かせてない、と言うべきでしょうか。
とにかくマウスか、その周りがおかしい。
嫌な予感とともに、私はマウスに目を向けました。
漫画風に表現をするならばきっとこの時、私のおでこにはツーっと一筋の汗が垂れていた事でしょう。
そこには、爬虫類?両生類?がいました。
トカゲ?ヤモリ?イモリ?タモリ?
なんか一つ爬虫類でも両生類でもないものがはいってしまったきがしますが、その……爬虫類(仮)がいました。
(仮)ってガールフレンドにつけるから可愛いのであって、爬虫類につけても微妙なんですね。知りたくなかったです。
さて、私の住むところは、都会と言えずとも、田舎とは言えない。少し都会寄りの中間ら辺の街です。
辛そうで辛くない少し辛いラー油、的な。
具体的には最近駅の周りにたくさんタピオカ屋さんができた感じの。
なので、トカゲ?は探さない限りあまり私の人生では見ない生物でした。
いや、私の注意力がなさすぎるだけなのかもしれませんが。
そんなわけで、テレビで蛇を首に巻かれてビビってるイモトさんぐらいしか見たことのない私は、手元にいきなり(元からいたんでしょうが、私はその時初めて気がついたので)現れたトカゲ?を見て、私は猛烈にビビりました。
「ピピピピピピッ!?ピィ!?」
小鳥かって感じです。そんな可愛くないですね。
ナマ言いました。
それはそうと、トカゲ?です。
トカゲがこんなに怖いとは、夢にも思いませんでした。もうイモトさんを見て笑えませんね。
「ふぅ、ふぅ。」
一度深呼吸して、落ち着きましょう。
怖いのでひとまず部屋から脱出し、一先ずおばあちゃんを呪います。
おばあちゃんめ……!
あれほど玄関のドアは閉めろといったのに、開けたまんまだから、いろんな虫とか虫とかトカゲとかが入ってくるんだよもう!
もう一度深呼吸をして部屋に入り、机にあったカップを持って、上からカポッと載せました。
尻尾がちょっと出てる……うえぇ、きもい。
自分で触るのは絶対に嫌なので、ペットボトルを強引に開いて、蓋を作り、そこにトカゲを落とそうと考えました。
しかし、トカゲも一筋縄では行きません。
足がくっつくせいで、上手く落ちてくれなくて、今度は椅子の上に落ちてきました。
……大丈夫、まだ可能性はある。
このクソトカゲを捕まえて絶対に水責めで、溺死させてやる。
もう一度カップを上に乗っけて、再チャレンジしようとした時、トカゲは勢いよく走り始めました。
「あっ!?」
こっちももうヤケです。必死に右手を伸ばして背中をとらえ、少し滑って、尻尾……っ!
そこで私は見てしまいました。いわゆるトカゲの必殺技を。
己の一部を犠牲にして助かると言う、いわば生物としての生存本能を。
そう、尻尾を切ったのです。
「っ!???」
初めて見ました。トカゲの尻尾切り。
ここでようやく、爬虫類か両生類かわからない謎の生物がトカゲだとわかりましたね。
へぇー血が出ないんですね。トカゲの尻尾切りって。それになんか尻尾だけなのにのたうちまわってる……キモい。
もうトカゲはどこにも見えません。
私は涙目になりながら、いくら待ってものたうちまわるトカゲの尻尾をテープでとってゴミ箱に投げ捨てました。
世には、爬虫類が可愛い!とかのたま……失礼、仰っている人がいますが、少なくとも私は、
トカゲなんて大っ嫌いです。
そんなこんなで私の精神力と、夜の貴重な自由時間を削りやがったトカゲの話でした。
ちょっとしたお話。 ちなまるり @sasasaasasaa5114
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