第2話 村?忍者の里ですが何か?
忍者の村
「神よ!神が植えて下さった作物がもう実りました!収穫してもよろしいですか?」
「はやくない!?神じゃないけどこんなに早く収穫できるもんなの!?」
「いえ!こんな事態は初めてです!神の加護かと!」
「いや俺人間だし・・・」
「ハッハッハッハッ何をご冗談を!忍者神様ではないですか!ハッハッハッハッハッハッ!」
「ハッハッじゃなくてあー」
村人が走り寄ってくる。
「神!至急来てください!大型のモンスターが現れました!フィアウルフかと思われます!」
「えっ?ウルフって狼?今まではどうしてたの?」
「今までは過ぎ去るまで家の地下に避難していました!ですが!ですが!今は忍者神様がいる!私達は忍者教徒なので突撃します!神よろしいか!」
「よっよろしくなーい!今まで避難してたのに、忍者教に入ったら即突撃って即死だよ!やめて!僕が行くから!」
そう言うと村人達は目を輝かせながら応援しだした。
「では神を皆んなで応援します!さっ皆の者!ニーンジャ!ニーンジャ!アッソレニーンジャ!ニーンジャ!」
「ねえ狼来てるんだよね?大騒ぎしたらだめだよね!?バカなの!?」
「ニーンジャ!ニーンジャ!ニーンジャ!ニーンジャ!」
「誰も聞いてくれない・・・」
とりあえず村人達を置いて村を出る。木の上から狼を探す。
厚くした木の前を大きな狼がウロウロしている。
明らかに声が居る方に行こうとして木に阻まれて苛立っている。
「ニーンジャ!ニーンジャ!ニーンジャ!ニーンジャ!」
何故か村人の声援が近付いてくる
「ちょ!何でついてきてるの!あーもう、風遁風壁!」
風遁を使い道を阻む
「ムム謎の風が私達を阻もうと負けるな!神を応援するんだ!」
「ニーンジャ!アッソレ!ニーンジャ!ニーンジャ!」
何故か風遁で遮断したのに、突き進みながら応援をしてくる村人集団を無視して
「水遁水龍波!」
水の龍を作り、フィアウルフの方へ放つ。
フィアウルフが気付いた時には水の龍に首を食い千切られた後だった。
「ヒョー!ニーンジャ!ニーンジャ!ニーンジャ!ドラゴンモダセル!ニーンジャ!ニーンジャ!殺さないで!」
「村人は殺さないよ・・自分でやったけどめちゃくちゃグロいな。初めて生き物殺しちゃったよ・・」
初めて生き物を殺した事に対し罪悪感を覚え、手が震える。
「「「今夜はパーティだ!ヒュー!ニーンジャ!ニーンジャ!」」」
「感傷にも浸れない・・」
村人達のテンションはうなぎ登りだった。
フィアウルフの毛皮を剥ぎ、肉を皆んなで食べながらお祭り騒ぎだった。
「とりあえず櫓と壁が居るかな?村人達の突撃思考は変えられないけど・・」
「土遁、城壁の術!」
村を厚さ10m高さ20mの壁で囲う。壁の上部分を横に伸ばして登れない様にする。村からは壁に階段を作り見回りがしやすいようにする。
更に地下トンネルも作り非常時に脱出できる場所を作る。
村の上役数人しか開けられない様大きな鍵を作り、鍵をかけ、上役に鍵を渡す。
村へ続く道があった場所に強固な門を作る。
「これで防御は完璧かな。壁の上から投石するだけでも攻撃の効果は高いしね!」
更に堀を作り近くの川から水を流す。
「モンスターや侵略者はこれで防げるかなあ」
一息ついていると興奮した村人が押し寄せてきた。
「神よ!一つ進言が!神の神殿を建てましょう!」
「却下!神じゃないし!」
村人達から一斉にブーイングが巻き起こる
「ねえ聞いて?神殿建てるのも僕でしょ?疲れるんだけど」
「「「神殿!神殿!神殿!神殿!神殿!」」」
「はあ。目立たない様に地下に作ってもいいなら作るけど」
「「「「「「地下!地下!地下!地下!」」」」」
許可した途端に大騒ぎ、溜息をつきながら地下に空間を作り日本の神社の様な場所を作る。
「はあ。これでいいかな。忍者教とか邪教認定されそうだけど」
「すっ素晴らしい!!」
村人達が神社を前に土下座している。
「お願いします神よ!私達に戦う力をください!」
「神殿を守る力を!」
「聖地を守る力を!」
「守護者の力を!」
「「「「「うおー!!!」」」」
更に大騒ぎである。
「忍術は無理だし、武器くらいならヘーパイストスさんに頼めば出してくれるかな?」
ポーチに手紙を入れてみる。
手紙の内容は、村人達に武器をください。
戦いの訓練の仕方を書いたメモもくださいと書いて。
ポーチに入れた紙が消えると
『こっちに飛ばしたら、おいおい。小僧祭りあげられてるじゃねえか。こりゃ笑える笑える』
神々しい光と共にヘーパイストスさんが現れた。
「「「「敵襲ー!!」」」」
村人達が威嚇し始める
「あーヘーパイストスさんは神様だから、皆んな落ち着いて!武器を作ってくれて戦い方も教えに来てくれた人だよ」
『村人全員気概も気骨もある。ワシが強くしてやる!忍者を護りたいかー?!』
「「「「おー!!」」」」
『力が欲しいかー!?神殿を護りたいかー!?』
「「「「おー!!」」」」
『ワシに着いてこーい!!』
「「「「ヒャッハー!」」」」
村人と何処かに消えていくヘーパイストス
取り残される僕、完全に置いていかれた。
「一体何が・・・。女子供老人まで皆んな居なくなっちゃったよ・・」
ヘーパイストスと村人が消えてから1週間が過ぎた。
その間一人で全ての畑を護り、収穫をして自分の飯を作り食べる。
凄く充実した異世界農業生活を満喫していた
「いやー今日も収穫収穫」
シュバっ
「神よ!我等教徒帰還しました。神殿にお越しください!」
「ひゃっ!へっ!?神殿に皆んないるの!?」
「はっ!行きますよ!神!」
少年に連れられ神社に行くと、筋骨隆々で各々別の武器を持った村人と、満足そうなヘーパイストスがいた。
『全員に隠密スキルと格闘スキル、魔法適正がある者には魔法も覚えさせてきた。後小僧の世界の兵法書も与えて教育した。完璧であろう?』
ドヤ顔で語るヘーパイストスにイラッとしたから雷遁を放っておいた
「「「「おー!!教官に雷を落とすとは!!素晴らしい!!」」」」
何故か村人達は熱狂していた。
(僕も隠密スキルとか魔法スキル欲しいんだけど)
『言っとくが小僧に魔法適正はないからな?』
「ナチュラルに希望を潰された!」
『隠密スキルとか格闘スキルなら村人達から教われば良かろう。後小僧の武器はもう少しで完成するから待っておれではなっ!』
「「「「教官ありがとうございます!」」」」
村人達は綺麗な敬礼をしていた。
「そう言えばこの辺って領主とかいるの?」
「神よ、領主は居ますぞ!ですが大丈夫です、討ち取って来ますからでわっ!」
「でわ!じゃないよ!何する気だよ!それに僕は国を作るつもりはないから!」
「えっ誠ですか!?」
「そもそも忍びは隠れ里って言う感じで隠れて暮らすのが基本だ、色々な街に溶け込んだりとかね!」
「成る程、情報収集ですな!まずは、長期任務に耐えられる者達に近隣の村や町や領主が住む街を調べさせますよろしいな?」
「よろしいな!じゃないよ!ってもう何人か居ないし!争い事はやめてよねー!」
「ハッハッハッハッ」
「ハッハッハッハッじゃないよ!とりあえずこの村一帯に幻覚の術をはるよ。村人以外は村にたどり着けないようにするから!そうすれば争いは起きないでしょ!?」
「流石は神!」
「俺たちの神は最高だぜー!!」
「カーミ!カーミ!カーミ!」
「はあ。幻遁 霧結界の術!」
村を霧の結界が覆い尽くす。
「では神よ!隠密の修行をしましょう!忍者ですから!神には必要ないですかな?」
ニヤリと笑う村人が怖かった。
「へっ?あああお願いしようかな!」
村人達の修行は鬼の様に厳しかった。
忍者のスキルがあるとは言え今まで運動をしてきない人間が鬼の様なスパルタ修行で根を上げないはずがなかった。
だが僕が根をあげると村人が耳元で囁いてくる。
「領主の首、王の首」
不自然な文言の脅しが入るのだった。
「ヒイイイイ」
僕は恐怖に震えながらも1年間、一生懸命修行した結果、上級の暗殺術、上級の歩行術、上級の瞬身の術、上級の隠密の術を会得した、スキルではなく元々忍者として使えた技術を修行により使えるようになっただけみたいだけど。モンスター殺しも強要されこなしていく。
「ねえ、村の人達は何で1週間でスキルや体捌きを会得できたの?」
「ハッハッハッハッそれはですね。
神の世界と私達が住む下界では進む時間が違うそうです。こちらでの半日があちらでの1年になります。なので私達は14年間修行したと言う事になりますね。」
「え?でも皆んな見た目変わってなくない?」
「それは教官の素敵な計らいですなハッハッハッハッハッハッ」
「いや?え?素敵な計らい?」
「ハッハッハッハッハッハッ」
駄目だこの村人。質問に答える気はないらしい。
「て事は勇者達からすれば約2年経ってるのか」
「勇者?東の大陸に召喚された2人組の勇者ですかな?」
「へ?4人組だけど・・」
女神マップを取り出して見てみると、4人は固まって移動をしている。
新たに青い点が2つ出現しているのがわかる。
「4人の勇者の事を私は知りませんが、2人組の勇者の評判は最悪でしたな、強盗、傷害、窃盗、もうやりたい放題でしたな」
「うげー超駄目勇者じゃん」
「ハッハッハッハッハッハッ勇者に天誅を下しますかな?」
「天誅!?しないしない!それに東の大陸なら関わる事は無いだろうし、ってか僕この大陸のこの村しか知らないんだけど」
「ハッハッハッハッ村ではありませんぞ!!」
「え?村でしょ?」
「神が仰っていたのでは無いですか!隠れ里と!なので此処は忍びの里で御座います!お間違えない様に!」
何故か怒られてしまった。しかも白目で、怖すぎる。神より怖い。
「はっはい!あのーすいません。一応4人組の勇者についても情報が欲しいけど別の大陸じゃ難しいよね?」
「ハッハッハッハッ出来ますが?既に他の大陸に2名ずつ手練れを派遣しております。まさに派遣忍者ですな!ハッハッハッハッハッハッハッハッ」
「いや派遣忍者って何かギリギリだよ!」
「ハッハッハッハッハッハッ」
「笑って誤魔化さないで!」
「ハッハッハッハッハッハッ」
進化した村人いや、異世界流忍び集団の人達は止まらないし止められない。
止めようとすると笑って流される。
武器も腕も超一流、しかもヘーパイストスさんのお墨付き。14年間の修行は伊達じゃなかった。
僕は忍術が使えても無力だった。モブはモブだからかな。
「はあ、おかしいよ。何故か脳筋の村になってしまった。魔王に関わる気はないけど、帰る手段かもしれないんだよなあゲームや漫画や小説的には」
(もう村については諦めよう。無駄だし。そう言えばゴットローブのモードチェンジってもしかして某ライダーみたいな変身とか出来るのかな?出来たら正体不明の実力者みたいな事もできるかも)
モードチェンジ!!忍びライダー!
某ライダーの様に黒いスーツに胸板の黒い装甲、黒いブーツ、黒いフルフェイスの様な頭部、紅い眼、紅色のマフラー、紅い色のベルト
(キタキタキタキタキター!ヤバイ!カッコいい!バイクが欲しい!ヘーパイストスさん!バイク!バイク!プリーズ!黒いバイクプリーズ!)
僕のテンションは最高潮だった。
「神よ!そのお姿は!??」
脳筋の村人達が明らかに動揺している。
『我が名は忍びライダー。忍びの里の守護者。正義を愛し駄女神と悪を滅殺する者だ。』
バーンと背後に仕込んだ火薬玉と煙玉を爆破させ、ヒーロー登場の演出をする。
もちろん派手なポーズを決めながら。
「「「「忍びライダー!!」」」」
『助けが欲しい時は天に向かって叫ぶんだ!助けて忍びライダー!とな。我が必ず参上する!』
村人と僕のテンションボルテージはマックスだった。
神界で笑いながらその光景を見ていた、駄女神が悪と纏めて滅殺すると言われ、恐怖に震えながら部屋に引きこもった。
僕は無意識に駄女神に対し猛烈な殺気を飛ばしていたらしい。
ムカつくから仕方ないよね。うん仕方ない。
『ではさらば!また会おう民達よ!』
シュバっ!
「「「「さよなら忍びライダー!!!」」」」
消えるわけじゃなく変身を解いただけだが、変身を解いた瞬間に羞恥心と後悔が押し寄せる。
僕は厨二病の激しい反動に襲われていた。
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