ハーレム野郎の息子は異種族美少女と純愛したい。
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プロローグ
「ハーレムは良いものだ。ハーレムは人生を豊かにしてくれる。男に生まれたからには、女を幸せにしなさい。女の為に生き、女の為に死になさい」
閉じた視界。瞼の裏。
......これは夢だ。
黒髪黒目の一般的な日本人男性。職業は公務員。今年40歳になった正真正銘、僕の父親。だがこの父親には問題がある。
「ハーレムは茨の道だ。一歩間違えれば頭だけがヨットの上で旅する可能性も捨てきれない。だがそれも美少女や美女が相手ならば本望といえるだろう」
......なるほどわからん。
いい笑顔でサムズアップするクソオヤジ。軽くウィンクを添えているが殴りたい。全力で。
これまで学校行事の度に、誕生日に、なにかの節目にクソオヤジは新しい女を連れてきては僕の目の前でイチャイチャしていた。
最早習慣化しているそれは、僕が高校生になった現在まで続いている。
クソオヤジが連れてくる女は皆それぞれが美女であり幸せそうに寄り添っている。
「死ねぇ......死ねぇクソオヤジィ......」
夢よ醒めろと体に命令するが、瞼の裏からクソオヤジの姿が消えることはない。
「息子よ!ハーレムを目指せ!高みを!男の頂点を!男子よ女を抱け!股間の棒は女の為に!女の股間は棒の為に!」
もういい。こいつの夢見るとか最悪すぎる。
この男の強力な精子の中でなぜ僕が勝ってしまったのか。数億という子種の中で僕が生き残ってしまったのか。
だがそんなことをいつまでも考えていたってしょうがない。もう僕は生まれてしまっているんだし。
ただ、僕はクソオヤジのようには生きない。僕の愛情は僕の愛するただ1人の女性に捧ぐのだ。添い遂げるのだ。
初デート。初キス。
初......体験。その全てを、その愛を。
「ツンデレ、クーデレ、ロリ、姉、妹、OL、JC、JK、JD。皆違って皆良い。息子よ女を––––––」
「うるせぇあああああああああああああっ!!」
自室のベッドの上。上半身をガバッと起こすとシャツに汗が張り付いて気持ちが悪い。
深呼吸をして呼吸を整えるとついさっきまで見ていた夢を思い出す。
ほんとにロクでもないやつの夢を見てしまった......
「僕は......僕は純愛するんだ!」
コブシをぎゅっと握りしめて決意を新たにする。なんといっても明日から僕は高校2年生になる。
恋愛するなら2年生がベスト。後輩に先輩に挟まれ最も出会いに優れた時期。
僕はこの1年で自らの生涯を捧げる結婚相手を見つけるのだッ!!
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