第9夜 小鳥の歌

わたしにも

思うように歌えない日はあった


言の葉が降らず

地面を砂ぼこりの舞う日があった


髪をかき回し

喉をかきむしって苦しむ日があった



それでもわたしは

精一杯歌った

力強く歌った

奥底から歌った

あなただけの為に歌った



今ではもう、そんな日はなくなったけれど

わたしはもう

あなたのためには歌えなかった

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