第7夜 海の詩

本当のわたしは声を出せなかった


電子の海の前でしか歌えないわたしは臆病者で

あなたにわたしの叫びが届くことはない


潮に浸かる他のあなたになら届くだろうか?

いいや、きっと誰にも届かないだろう



それでもわたしは歌おう

わたしのためにこの声を枯らしたくはなかった


わたしの詩は0と1の波を揺らす

揺れて流されて

やがて沈む



あの叫びがわたしに帰ってくるまで、

わたしは塩水にうたれ続けよう


きっと帰ってくることはないから

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