『探偵四方木理の推理事件簿』
峪明博
第1話 大森家密室殺人事件
大阪市のあるビルの二階、四方木探偵事務所がある。
「ふぁー。暇だ。」
四方木理、30歳。
元、科学捜査研究所所員。
公務員が向かず、退職し、私立探偵になった。
基本は一般の探偵らしい、浮気調査、不倫調査、紛失物を捜したりしている。
しかし、たまに、警察に頼まれて、推理の手助けをしている。
元々、頭脳明晰な四方木、警察に頼まれているのだ。
物理好きの四方木は暇な時間、物理の問題を解く。
さて、基本情報は置いといて、昼下がり、ドアのノックする音がした。
「はい、どうぞ。」
「あの、失礼します。」
一人の老婦人が来た。
「どうぞ、こちらへ。名前とあのご用件は何でしょう。」
「大森清美です。実は主人の行動を探ってほしくって。」
「ほう、ご主人の名前は?」
「大森隆治と言います。」
「大森隆治と言えば、あの大森製薬会社の会長の大森隆治?」
「はい、そうです。」
「で、彼が?」
「最近、夜出て行くんですが、出ていく理由を聞いても、『所用だ。』としか、教えてくれなくて。」
「それで?」
「夜に仕事は考えられなくて。」
「・・・。」
「気になって依頼させて頂きました。」
「なるほど、分かりました。調べて見ましょう。」
「有難うございます。」
こうして、四方木は大森隆治を調べることになった。
その晩、四方木は大森邸の近くで待機し、大森氏が出てくるのを待った。
と、その時、大森邸から悲鳴が聞こえた。
「きゃー。」
四方木は何事かと思った。
しばらくして警察が来た。
四方木は警察官に近づき、
「あの、四方木です。」
「ああ、四方木さんどうしてここに?」
「依頼主は言えませんが、大森隆治を調査してほしいと、依頼があって。それで、大森邸で何かあったんですか?」
「大森隆治が、殺害されました。」
「えっ?」
四方木はびっくりした。
警察官らと四方木は大森邸に入った。
大森隆治氏の部屋に行くと、大森隆治氏の死体があった。
「胸元を一刺しか・・・。」
大森隆治は壁に座る様な状態で、死んでいた。
「証言に寄ると、16時ごろにドアが閉まってあって、19時ごろに行ったら、開いてたから、開けたら、大森隆治は死んでいた。」
「死亡推定時刻が、分かったら、教えてくれ。」
「分かった。」
しばらく四方木は死体のない現場を見ていた。
「・・・。」
「死亡推定時刻分かりました。」
「いつだ?」
「16時から17時ごろです。」
「密室殺人か。」
「そうなります。けど・・・」
「どうした?」
「窒息死で、口と鼻に接着性の後が。」
「・・・。」
「それと、」
「なんだ?」
「刀物の指紋は付いてませんでした。」
「そうか。」
「あと・・・。」
「微妙に土が・・・。」
「成る程、土か・・・。」
「後ゴミ箱にあった、焦げたハンカチなんですが。」
「ほう。」
「その血痕らしき識別は不明。」
「成る程。」
「以上です。」
「最後の目撃証言は?」
「朝の8時ごろだそうです。皆さんと食事していたそうです。」
「成る程・・・。分かった。有難う。」
「はい、では。」
「何か分かったかね。」
「ええ、あらかた。けど・・・」
「けど?」
「それなら、朝と夜にアリバイがない人物を探さないと。」
「朝、夜の人物ですか?」
「えぇ。お願いします。」
「それなら、奥様、大森清美さんしかいません。」
「そうですか。」
「えぇ。」
「あとは、物的証拠だな。」
「そうなんですか。」
「奥さんの爪の中を調べてみなさい。おそらく、大森隆治氏と同じ土が検出されるはずです。」
「分かりました。」
調べてみたら、大森清美氏から、大森隆治氏と同じ土が検出された。
犯行はこうだ。
朝、睡眠剤で、隆治氏を寝かし、鼻と口に、ガムテープを付けて、土の中に埋める。
土の中だと、腐敗速度が遅くなる。
その間、彼の部屋を閉める。
そして、夜19時前にドアを開けて、刃物に布等を付けて刺す。
以上である。
犯行動機は浮気だそうだ。
四方木は自分の事務所に戻って、
「内輪揉めは怖いなあ。」
と、四方木は思った。
「ちょっと四方木さん。」
下から、管理人が来た。
「先月のあの女誰??」
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