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お教室につくとママはヨガマットを広げ、バスタオルとオイルを取り出した。
「ゆうくん、いっぱいマッサージしてあげるからね。眠くなったらねんねしても良いからね!」
「うん!ママのおてて、ポカポカだから眠くなるの。」
ベビーマッサージに来るといつも寝てしまい、目が覚めると違う場所に移動している。
「こんにちは。お隣良いですか?」
ふと見上げると、女の子とそのママが声を掛けてきた。
「どうぞどうぞ~!よろしくお願いします!」
「ありがとうございます!」
お互い軽く自己紹介をした。
あおいちゃんと、やよいママというらしい。同じお顔をしている!
「ゆうくん、あおちゃんと仲良くしてね!」
「あおいちゃん、よろしくね!」
あおいちゃんはぼくより1ヶ月早く生まれたそうで、近くに住んでいることも教えてくれた。
帰りに一緒にミルクするみたい。
「ゆうくん、あおちゃんねミルクするお店やさんのにおい嫌なんだぁ」
「どうして?」
「ママが飲んでる黒いのが苦手なの。」
「こーしー?」
「こーしー!なんだか焦げてるにおい…」
「そうだね、ぼくもいいにおいとは思わないよ。」
そんな会話をしていると、ベビーマッサージの先生がやってきてマッサージを開始した。
モミモミ…
ナデナデ…
ママのおててでお腹を温めてくれたり、ゆっくりまーるくさすってくれたり。
とっても気持ちが良い…
あおいちゃんもすやすや寝ている。
「ゆうく~ん、寒くないかな?」
(とってもここち良いのに、もうおしゃべりできないや…)
眠くて眠くてたまらない。
ぼくもねんねしちゃおう…
…
……
………
「何飲みます?」
「私はブラックで!あおいが寝てる間に飲まないと、香りが苦手みたいで…」
(あれ?もうミルクしてるのかな?)
「ママ…」
「ゆうくんおはよう。ミルク飲む?」
「ううん、りんご麦茶がいい。」
「じゃあ、アイスコーヒー1つ、りんご麦茶ベビー1つ、ジャスミンオレ1つで!あおいちゃんのは大丈夫です?」
「多分起きないから大丈夫ですよ~。」
「気持ち良さそうにねんねしてますもんね。」
ぼくはママのお膝でりんご麦茶を飲んでいる。ママ同士は時々ぼくの事を気にしながらおしゃべりしているけれど、あおいちゃんともっとお話したかったな…ちょっとつまらないや…
思わず顔に出てしまったみたいで、心配されてしまった。
いい子したかったけど、ぼくだってつまらないのは嫌なんだもん…
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