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奈央と翼に「必ず迎えにくる」と約束し、俺は東京のアパートに戻った。
新しいマンションは都心から少し外れているが、二LDKとサービスルーム。各部屋にはクローゼットもある。都会の便利さよりも環境を重視した。
週末、俺はアパートを引き払い新しいマンションに引っ越した。交通の便利もよく、幼稚園も小学校も、小児科やスーパーも徒歩圏内にあった。
あとは奈央と翼を迎えに行くだけ。
一度別れた奈央と上手くやっていけるのか、多少の不安はあったが、翼が俺達の気持ちをひとつにしてくれると信じていた。
新しいマンションから、奈央に電話をかける。
「もしもし奈央、新しいマンションに引っ越したよ。今から言う住所に奈央や翼の荷物を送っていいから」
『わかった。家具だけ先に送るね。クローゼットある?』
「あるよ。俺の荷物は殆ど処分したし、サービスルームもあるから余裕だよ」
『……ありがとう真。本当にいいの?私は……あなたに相談もしないで翼を産んだのに』
「なに言ってるんだよ。妊娠を知りながらプロポーズ出来なかった俺がいけないんだ」
『私……嬉しかったよ。一人で頑張るつもりだったけど、翼が産まれて本当は不安だった。少し情緒不安定になってた』
奈央の言葉に、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「本当に……ごめんな……」
別の道を歩むと決めた礼さん。
同じ道を歩むことになった奈央。
俺の選択が本当に正しかったのかどうか、俺自身もわからなかった。
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