真side
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礼さんと連絡がつかなくなり二週間が経過。俺は礼さんの行きそうな場所を必死で捜した。
でもMILKYも本宮corporationの受付嬢も、部外者の俺には何も教えてくれなかった。
だから本宮氏が倒れたことを、俺が知るわけもなく、二週間ぶりに逢った礼さんから事実を聞いて、俺は愕然とした。
――『真君、落ち着いて聞いて。私……離婚を取り止めたの。本宮とは別れない』
嘘だろ?
――『意識は戻ったけど、私が傍にいないと本宮は生きていけないわ。空も……この状態で置いていけない。だから離婚は取り止めたの』
俺は……?
俺だって、礼さんが必要なんだ。
別れることなんて、できない。
――『もう終わりにしましょう。お互い大人たちなんだから、しつこくしないで。さようなら』
もう終わりにしましょう?
しつこくしないで?
今までのことは、俺の思い上がりで全部幻想だったのか……。
想いが伝わらない不甲斐なさから、涙が溢れ落ちた。
でも礼さんの気持ちが変わることはなかった。
――礼……
俺は……君の幸せを……
祈っているよ……。
歩む道が違っても……
生涯……君だけを……
愛している。
――俺達の恋は、何も始まらないまま終わりを告げた。
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