なぜ逃げる!?

第1話 魔法の言葉「だっこ」

「さんぽ」「ごはん」「待て」…などうちのリリーは何単語か日本語がわかります。まあ意味を理解してるってよりは音で覚えてるに近いんでしょうが。


きっとほとんどの飼い犬は飼い主が伝えたいことをある程度はわかってるんじゃないかなぁ。犬って人間の3歳児相当の知力があるとも言われてますしね。


さてさてうちのわんちゃん、私が発するある言葉に異常に反応します。それは、「だっこ」。これめちゃめちゃ効きます。言った瞬間弾けたように後ろに飛び退ってそのまま数歩後ずさるんです。14歳、人間の年齢に換算すると90歳も超えたおばあちゃんの動きだとは思えないほど俊敏なんです。


…私、昔抱っこ関係でやらかしたのかなぁ。


リリーを飼い始めたのは私が小1の時だから、無邪気に嫌がらせをしてたとしても驚きはしないけど、原因がわからず嫌がられるのはちょっといやかなり傷つきます。


昔の私に問いただしたい!一体貴様はなにをしたんだ!!笑


飼い始めた頃は、一人っ子の私はかなり、リリーに嫉妬はしてたみたいです。両親を取られるみたいで。嫌がらせとかしてたのかなぁ。虐待みたいなことは一切してないけど。でもでもそれも10年以上も前のこと。もしかしてただ単純に抱っこが下手とか!?



そして飛び退ったあと、私が「おいで」と声をかけると一応はそばまで寄ってきます。すっごく嫌そうにですが。でもここがリリーの賢いところ(親バカ入ってますね。)ぜっっったいに私の腕が届くリーチまでは寄ってこないんです。ギリギリ撫でられるけど、抱っこするには距離が遠い…

そんな絶妙な距離感を彼女は的確に突いてきます。私にもその技術が欲しいよ…主に人間関係で。


彼女の逃げ足の速さは一級品です。誰に似たんだか。


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