なぁ。

何かを歌うとき

何かを思うとき

何かを書こうとするときの

「君」や「あなた」という言葉に

投影する相手が何もないから

なんの気持ちも入らない


なんの気持ちも入らないから

なにも歌えないし

なにも思えないし

なにも書けない


もう

ただ空っぽをこうやって書き記すか、

冷蔵庫の余り物で料理するみたいに

昔の思いを拾い上げてまるで新品のように振る舞うかしかない


唇は無言で一文字

どうというものでもない。

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ニューロンの墓地 惚狭間(ぼけはざま) @siroryuu

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