貴く仰ぐべくものへ
真夜中の寝室で
母親が僕のプレゼントしたマッサージ機を使いながら
目を閉じて、少し震えていた。
その様子に
「あぁ、使ってくれているんだな」
と思っていたが
実はその時
マッサージ機は漏電していたのだった。
母親が見せていた少しの震えというのが
気持ちよさから出たものではなくて
そのまま感電して死んでいたという
その事実を知らないまま
「おやすみ」と一言だけ告げて
寝室を後にした僕を
そう
その僕を
一体だれが責めてくれるというのだろうか
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