きる☆まい☆しすたぁ
宮園クラン
第1話【奇】
「時に君、
「違うよ。違う違うそうじゃない。助けてだとか、
身柄を拘束された裸の男は、つい先ほどまで居酒屋にて安酒を
「話にならないな。まぁいい。俺は好きだよ、鼠。こいつ等は俺達人間と一緒で、食するものを選ばない雑食性だ。生きるためならなんだって、腹の足しにする。ははっ、それは空腹によって、生命が脅かされる事を回避する為の、生理的本能なんだけどさ。さてと、それではここで問題です。空腹以外の危機に瀕した時、普段食べ慣れないものに対して、コイツはどんな反応を示すの、だろうね」
子供の頭ほどの大きさである鉄製バケツを、男の腹の上に置く。ちょうど中に一匹の鼠が閉じ込められる形にして、置く。これからどんな事が起こるのか想像しながら、僕はじっと見続ける。
「大丈夫、心配しなくてもいい。俺はこの通り、耐熱性の手袋をしているから、しっかり抑えておくことができるし、君は手足を拘束されているから、じたばたと暴れる事も、出来ない。我慢比べとかじゃあ、ないんだ。俺は君に対して質問をしたのに、適切な答えが返って来なかった事実に、酷く
彼は宣言通りに手袋を
「汚いな、あらかた興も
赤く染まった左手を差し出す彼の生の方の左眼は、明らかに焦点が定まっていなかった。が、決して僕には危害を加えてくるつもりは無いだろう。少なくとも利害が一致しているうちは、なのだが。
ともあれ、今日は良い収穫となった。ここまでイカレた奴を味方に出来たのは、得てしてかなりのアドバンテージになり得るに違いない。
よもやこれを以って、妹の
To Be Continued...▶︎▶︎▶︎Next【省】
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