クラス転移してハブられたけど、超能力があるから、なんとかなると思う

菱口 アキト

第1話 プロローグ

いつものように起きた。

いつものように朝食をとった。

いつものように高校の制服に着替え、家を出た。


俺―神谷 陸のいつも通りの朝だ。


そして、きちんと家の鍵を閉める。俺には家族が居ない。


小学四年の頃に交通事故にあって、俺以外の家族は既に死んでいるのだ。


その事故の後、なぜか俺は超能力を使えるようになった。当初は病院や研究所で精密な検査をされたものだ。


あれから5年ぐらいが経ち、超能力を自在に操れるようになった。瞬間移動、透明化、念動力、未来予知、千里眼……などなど常人には到底できないようなものばかりだ。身体能力も格段と上がり、東京スカ○ツリーなんかは楽に持ち上げられると思う。(試そうとも思わないが)


なので、自在に操れるようになるまでは本当に大変だった。


今年から自由に外出ができるようになり、念願の高校生デビューを果たした。特訓の成果か、超能力をoffにしたりできるようになったので、いつもはoffにしている。そのお陰か、友達もでき、普通の高校生活を送っていけてる。


いつものように通っている高校に着き、

いつものように教室に向かう。

いつものように教室のドアを開け、教室に入る。


クラス全員が揃っていた。


いつものように「おはよう」と挨拶をし、自分の席に座り、授業の準備をしていると、「おはよう、陸。」と、挨拶をされる。


天野 勇だ。イケメンで天才の学級委員長で、めっちゃモテる。それどころか、性格もいいため、男子にも嫌われることはない。


「神谷君、少し遅いよ?もうすぐLHR始まっちゃうよ?」


そう言うのは白雪 聖だ。勇と幼馴染らしく、うさぎのような愛らしい容姿の持ち主で、いつも勇のそばにいる。前に、勇と付き合ってんの?と、聞いてみたが、本人曰く、全然好きでもないらしい。


「まあ、別に遅刻はしてないんだしいいんじゃね?」


「確かにそうだけど……」


まあ、いざとなったら瞬間移動でも使うから遅刻はあり得ないんだけどな……。


「もっと喋りたいのに……(ボソッ」


「ん?何か言ったか?」


「う、ううん!なんでもないよ!」


そう言いながら、手を前にだし首をブンブンと勢いよく振った。


超能力をoffにしなかゃよかった……そうすれば読心が使えて何を言ったのか分かったのに……ま、いっか……本人もなんでもないって言ってるしな。


「あ、そうそう陸……今日、放課後暇か?」


「ん?別に大丈夫だけど?どっか行くのか?」


「ああ、カラオケに行こうと思ってな……俺、聖、龍斗、さくらと一緒に」


「そこにおれも入っていいのか?」


「「もちろん!」」


勇と聖が綺麗にハモった。やっぱこいつら付き合ってんじゃね?


「あ、そういえばあいつらは?」


「あいつら?……龍斗とさくらのことか?ほら、後ろにいるぞ?」


「あ、ほんとだ」


西澤 龍斗


空手全国一の実力者で、勇ほどではないが、イケメンで、頭は……うん、そこそこ?で勇と同じくクラスの人気者だ。(特に男子)


風谷 さくら


剣道全国一の実力者で、頭がよく、主に女子に(なぜか)モテているクール美人だ。


「あ、そういえばお前ら席に着かないのか?」


「あ、忘れてた。」


勇はそう言うと、立っているクラスメイトに声をかけ始めた。


さすが学級委員長!


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