第13夜 空港の本屋など六篇
家族でマカロンを分ける。小綺麗な正方形の箱の中には、3×3で9つのマカロンが収まっている。ところがこの中に1つだけ、昨今流行りのあるウイルスが仕込まれているという。
緊張感の高まる中、弟が突然、
「この淡いピンクのマカロンがウイルス入りマカロンだ」
と断定したので、皆安心してそれ以外のマカロンを食べた。
突然ステージの上に自分が立っている。どうやら自分は今、卒業コンサート真っ最中の人気女性アイドルになってしまっているようだ。
当然、歌詞など分かるはずもないので、うろ覚えで歌いながら客席に降りて観客とハイタッチしようとする。ところが全然観客が盛り上がらない。背筋を冷たいものがつたう。
部屋の中で3歳くらいの妹が、1歳くらいの弟と一緒にパズルをして遊んでいる。
私の妹と弟はもっと大きかったはずだが、はて?と思って妹に声をかけると、
「中身は大きいままだよ、そこの風呂敷を被って外見の年齢を変えただけ」
と言われた。私は元の外見にしてほしいと泣きながら妹に頼んだ。
すると妹は仕方がないな、という風に頭から風呂敷を被って元の姿に戻ってくれた。
どこかの空港にいて、空港内を歩いている。
歩いていると、かなり大きな本屋がある。免税店といえばブランドのカバンや服、時計が多いので珍しいな、と思いながら通り過ぎるとまた本屋が見えた。どうやらさっきの本屋と同じ店で、扱っている本の種類ごとに店舗を分けているようだ。
文庫、洋書、専門書、コミック...いくつもの本屋を通り過ぎるとやっと搭乗口が見えてきた。
飛行機に乗りこむと、機内に見知らぬ新郎新婦が入ってきた。新郎はタキシード、新婦はドレスを着ている。機内はかなりゆったりとしたつくりで、まるで部屋の様にテーブルと椅子が設置されている。本来なら窓が付いているところには大きな壁かけのテレビがついている。そのテレビには招待客が新郎新婦を祝うために作った動画が流れている。
次は自分の知り合いの新郎新婦が入場してくるので、私はスタッフに自作の動画が入ったCDのようなものを渡す。するとスタッフに「すみません、うちのパソコンではもっと小さいサイズのディスクしか使えないんです。けど上映できるようにちょっと頑張ってみますね」と言われた。
動画が流れたかどうかは覚えていない。
さっき通り過ぎていった空港内の大きな本屋でバイトをしている。同僚は皆面白くて優しい。本屋は広くて、いろんな種類の本が置かれている。見ているだけで楽しい。私は30人ほどの学生が書いた短編小説の束を、編集者に渡す。(今思うとそれはおそらく本屋ではなく出版社の仕事だが...)
レジの方に向かうとなぜか、本屋なのになぜか錠剤を提供していた。子供の薬のようだが、一体何の薬だろうか。違法な感じはしなかったが謎である。
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