第9夜 私が先生

私は教室で着席している。なぜなら学生だからだ。

ところが突然先生が退室し、私が授業をすることになる。現代文の授業だ。

しかたがないので教科書のある部分を指定し、その部分に対する感想を聞く。

感想を板書して、振り向いたときには八割ほどの生徒が机に突っ伏していた。寝ているのだろうか。

「寝ている人から当てます」

と宣言すると、皆顔を上げる。その中でも一番遅かった生徒を指名した。

その他数人の感想を聞いたところで授業は終了した。



夢だと気づかなかったので、先生でもないのにまじめに授業をしてしまった。

学校の先生はこんな気持ちで授業をしているのだろうか、と起きてから思った。

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