「ファニー・スマイル」アッシュワールド・ハンター
白Ⅱ
第1話プロフィール
俺の名前を知ってるか?
そんなことは誰も知らない。
俺も知らないくらいだからな。
本当に。
昔のこと過ぎて記憶がない。
年?
知らないな。
まぁ、老け顔ではないな。
明らかに二十代ではないのだがいつも青年って感じで見られてる。
身長は百八十くらい。微妙に高くて異世界によっては建物の入り口で良く頭をぶつける。
何をしてるのかって?
ああ、言っても信じられないだろうけれど「正義の味方」をやってる。
信じられない?
俺もだ。
誰にも知られず悪を倒し、誰にも知られず世界を平和にしてる。
あの、正義の味方だ。
正義の味方はその性質上誰かに知られることはない。
この定義に従うのならば。
なるほど確かに俺は正義の味方の条件を満たしている。
どんな力があるか?
簡単だ。
時間を操る。
はっきり言って強い。
強すぎる。
だがこの手の能力にありがちな色々と厄介な制約がある。
俺は自分がしゃべっているときの時間を止めることができる。
ただ、喋ってる間だけだ。だから息継ぎとかすると動き始める。
でも考えてみてほしい目の前に立った男がいきなり視界から消えて首筋にナイフを当てていたら?
俺の能力なら造作もない。
こんな能力だから対人戦ならまず負けない。
敵が多すぎるとか。
範囲攻撃とかは難しいけどな。
ただ、俺はこの能力をあまり好きではない。
というか、この力は俺がかろうじて自由に使えている力だ。
他の力は。
他にもいろいろできるのだがそれは俺の制御下にはない。
あいつが。
あのくそ女が。
俺を弄ぶために気まぐれに使うのだ。
そう。
時の魔女の呪い。
俺はそれに呪われている。
そして奴を愉しませるために今日も正義の味方をはる。
できることを。
するだけだ。
それがどんなに無意味でも。
俺は。
少しでも・・・
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