『気象予報士さまは、なぜ助詞を抜かして話すのか?』
やましん(テンパー)
『気象予報士さまは、なぜ助詞を抜かして話すのか?』
* これは、まったくのフィクションであり、現実のあらゆる事実とは、無関係であります。ただし、自然現象を、いまだ人間がコントロールできないことだけは、どうしようもない事実であります。これ以上、無常な自然災害が起こらないように、深く祈ります。
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最近、テレビやラジオに気象予報士さまがしばしば登場します。
『あすは、午後から寒くなるでしょう。どうぞ服装、お気をつけください。その後大気、不安定になり、急な落雷、あるかもしれません。』
「あ、また、助詞、省略してるっす。」
カップ・ラーメンをすすりながら、大雨太朗が言ったのです。
「あんたもだろ?」
小雨一郎が指摘しました。
「ここは、雑談の会場っす。あれは、公の場面だからな。正しくしゃべらなくては。」
「流行なんじゃなあい?」
晴天良子が、割って入りました。
「人気のある予報士さんを、まねてるんじゃないかしら。」
「ありうるね。人気が出たら、みんな、まねしたがる。それに、予報士さんは、話しのプロじゃあないから、ある程度、自由が利くんじゃないのかな?」
これは、小雨一郎。
「そうだなあ。たしかに、まあ、一定のリズム感を作り出すことに成功しているのは、事実だけどね。でも、なんか、気になるんだなあ。なんか変なんすよ。あの、話し方。」
「よくわかれば、いいんじゃないの? 結局は。あれは、個性というものよ。最近は、すごく、そういうのが、大切みたいでしょう?」
「そういうふうに、総括されるのも、嫌いだなあ。ぼくは。個人の意見というものは、違ってあたりまえです。なんでもかんでも、まとめりゃあ、いいってもんでもないっす。うん、あ、このカップ麺、うまいすよ。晴天先輩。」
「あなた、もう社会人なんだから、その『なんとかっすよ~』は、卒業なさったらいかが? この社会においても、だれかがまとめなきゃあ、きちんと、ものごとが進まないわ。もう、めちゃくちゃになるでしょう?」
「まあ、そうっす、けどね。今は、業務時間外っす。職場関係なし。」
「あららあ、この仲間内は良いけど、偉い先輩方がいるところでは、そんなこと、言ったら、嫌われるわよ。」
「いいっす。出世する意思はないですから。」
「ふうん。いやあ、そういうやつに限って、出世し始めたら、からっと、態度が変わるんだ。」
「がらっと、でしょう?」
「いいや、『からっと』さ。昔のことは、あっさりと、からっと、油で揚げたように忘れてね。こうしてラーメン食ったこととかも。いろいろと、世話になったこともね。」
「まあ、あたしは、出世できない。女子職員は、天井があるって、言われた。」
「そりゃあ、あからさまに、差別でしょう。先輩が、どぎゃっと、変えたらいいっすよ。応援しますよ、辞めて無ければね。ボスになってくださいよ。」
「まあな、おれも、続かないかもな。なんだか、いささか、このところ、体調良くないしさ。勤務替えするかもなあ。下手に昇進したら、責任、大きくなりすぎるんだ。ボスは、ああいう調子で、独裁的だし。」
「まあ、大丈夫? もし、本当に体調良くないなら、早く手を打って、きちんと、解決すべきよ。」
「へいへい。あんたは偉い。偉くなるよ、きっとね。」
「もう、からかうんだからあ!」
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ここは、雲の上、『お天気担当神様』、幹部候補生さんたちの、『研修寮』で、あります。
人間の運命は、いまでも、彼らが大方、握っているのです。
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※危なくなったら、やましんも、逃げることにします。何処に逃げるかが、問題。避難所は、目の前に、見えてる。いえが沈めば、避難所も沈むかも…………でも、たぶん、頑丈。
『気象予報士さまは、なぜ助詞を抜かして話すのか?』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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