『泣きそうなお空さん』

やましん(テンパー)

『泣きそうなお空さん』


 あれ、お空さんが泣きそうだよ。


 うわあ、もう、いまにも、大粒の涙が溢れそうになってる。


 「どうしたの、お空さん、なにか悲しい事があるならば、


やましんが聞いてあげるよ。そんなに大きな涙を出したらば、街が水没してしま


う。 ほら、そこの『雲』さんで、涙を拭いてください。」


 『ぐすん、ぐすん。やましんさん、じゃあ聞いてください。


 最近、人間が出す煙は、昔よりキレイになったというけれど、それでも、こんな


に毎日『排ガス』とか、『二酸化炭素』とか『午後二時五分』とか吸ってたら、涙


がいっぱい、出ちゃうんだ。』


 「午後二時五分?・・・・・ああ、PM2.5とかだね。そうなんだ。どうしてあげたらいいのかなあ・・・」


 『人間とおなじだよ。まず、目薬を差してくださいな。それから、『ますく』をくださいな。』


 「ふあ~~。ううん・・・・・・・・」


 やましんは、考えました。



 まずは、自由自在に飛べる飛行機に乗って、お空にあがるのです。


 そうして、地面とお空をぐるっと反対に向けて、目薬を、お空さんに、『ぽと


ん、ぽとん』と、落とすのです。


 それから、大きなマスクを、なんとかして、かけてあげるのです。


 でも、これは、難しそうだなあ。


 どこが、お口かわからない。


 きっと、全部がそうなんだ!


 ああ、そうだ、大きなお山とか、高い木とかに、ひっかけましょうか。


 でも、飛行機がひっくり返っても、お空と地面は変わらないぞ。


 目薬は、お空と反対方向に行ってしまう。


 「むつかしいなあ、お空さん。どうしたらいいかなあ・・・」


 お空さんが言いました。


 『うん。でも、そうやって一生けんめい考えてくれると、うれしいよ。もう少し


頑張る。でも、あまり長くは持たないよ。』



                            ・・・ おしまい


  

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『泣きそうなお空さん』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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