第26話

「よし、計測するからやりたいやつからやれ」

「はい!」

島田は、こんどこそ女子にいいところ見せようと先に投げようとした。

そして、弥彦を強く睨んでいた島田を見た弥彦は寒気がして島田から目を逸らした。

「やっくん!」

「ん?、あー美夕か」

「なに?、嬉しくないの」

美夕は、弥彦に近づくと弥彦は適当に返すと美夕は弥彦のことを睨みながら離れて行った。

「いいの、弥彦?」

「いいんだよ」

「いやー、山本君は乙女心をわかってませんね」

「えっーと、どなた」

弥彦は、クラスメイトにまったく関心がないので、クラスメイトをまったく把握していなかった。

それを聞いた相手は、少し動揺しながら自己紹介をしようとした。

「私は、坂田雪音です、よろしくね山本君」

「おう、よろしく」

「ほら、雫も」

「こ、こんにちは、篠崎雫です、よ、よろしくお願いします」

「えっーと、眼鏡の方が坂田さん、背が低いのが篠崎さんね、覚えた」

「よろしく」

「よろしくお願いします」

弥彦は、新しく坂田雪音と篠崎雫と仲良くなった。

それを見ていた男子生徒は、また弥彦の方を睨んでいた。

「それで、坂田さん」

「なに?、弥彦君」

弥彦は、山本から弥彦に変わって一瞬戸惑ったがすぐに「まあいいか」と話しを続けた。

「乙女心がどうとか言ってたけどなに?」

「いやー、あきらかに柳田美夕さんと柳田舞花さんは弥彦君を特別な目で見てるのでね」

「それが・・・」

「いや、弥彦君さー、二人には冷たいよね」

「・・・」

弥彦は、坂田に率直にズバッと言われて少し戸惑って黙った。

そして、弥彦は同時に冷や汗がダラダラと出た。

「い、いや、そ、そんなことは、な、ないぞ」

「いや、わかりやすーー」

弥彦は、動揺しながら訂正しようとするが、祐也と坂田と篠崎には弥彦は嘘がわかりやすいと思われた。

そして、ちょうどそれを聞いていた美夕と舞花が弥彦のところに来た。

「どういうこと、やっくん!」

「どういうこと、やっひー!」

「いや、それは・・・」

「早く答えてください」

「・・・、わかりました」

そして、弥彦は美夕と舞花に正座をさせられて尋問を受けることになった。

「なんで、冷たくするのですかやっくん」

「それは、お前達と仲良くすると友達が出来なくなるからです」

「そんな理由で冷たくするのやっひー」

「そんなことって、俺にとっては重大だ!」

「舞花!、ちょっと黙って」

「・・・」

舞花は、横から弥彦に話しかけたのを美夕に怒られて少し不機嫌そうにしながら後ろに下がった。

「さて、やっくん、いいたいことは分かるよね」

「ごめんなさい、もう冷たくしませんので許してください」

「本当だね」

「はい、誓います」

「わかりました、では許します」

「ありがとうございます、感謝します」

弥彦は、なんとか美夕と舞花に許してもらって正座から解放された。

そして、弥彦は祐也を連れてハンドボール投げの場所に向かった。











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