春 2


四月も過ぎましたが春の句を詠んでみました。

風光かぜひかる:春風がきらきらと光り輝くように感じられることをいう。 陽光の踊るような明るさに、風にゆらぐ景色もまばゆい。 春の到来のよろこびや希望を、吹く風に託した言葉。

花曇はなぐもり:桜の花が咲く時期の曇った天気のこと。

菜種梅雨なたねづゆ:3月下旬から4月上旬にかけて、菜の花(別名 菜種)の咲いている時期に降り続く雨のことを「菜種梅雨」と言います。 菜の花の甘い香りが漂ってきそうな名前ですね。 菜の花をはじめ色々な花を催す(咲かせる)という意味で、「催花雨(さいかう)」という別名もあります。

花筏はないかだ:いかだのように流れる、水面に散った桜の花びらの列。

花冷はなびえ:桜が咲くころに寒さがもどること。その寒さ。

山笑やまわらふ:春の山の草木が一斉に若芽を吹いて、明るい感じになる様子を表しています。

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 線路見ゆ 土手に顔出す 土筆つくしかな



 風光る レースのカーテン 洗ひけり



 潔く 風に散りたる 桜かな



 花曇 爪も切る気に なれずして



 山吹の 影映したる 水面みなもかな



 昼食は 昨日の残り 菜種梅雨



 人知れず 気品を放つ 椿かな



 隅田川 流るゝ先や 花筏



 花冷や 鍋焼きうどん 卵入り



 春立ちぬ マスクで隠す うれひかな



 山笑ふ 気持ちはすでに 旅支度


 

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