明日から十二月ということで、「冬」の句を集めてみました。

刀自とじ:中年以上の婦人を尊敬して呼ぶ語

太陽柱たいようちゅう:日出または日没時に地平線に対して垂直方向へ、太陽から炎のような形の光芒が見られる現象

降誕祭こうたんさい:クリスマス

聖樹せいじゅ:クリスマスツリー

日向ひなたぼこ:ひなたぼっこ

吾子あこ:わが子

木花きばな:霧氷の傍題

※恋風:恋心のせつなさを、風が身に染みるのにたとえていう語

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 ふかし芋 両手に持ちて 食ふ子ども



 貧しさや ひもじさ忘る 掘りごたつ


 

 すきま風 父の外套がいとうの 重さかな

 


 冬来して はいから零る 日本海



 手袋の 片方だけや 落とし物



 氷張る 小さき沼を 滑る子ら



 冬銀河 ながひ列車が 森を行く



 新雪に 大の字になる 刀自とじのをり



 初雪や 人肌呑みて 頬を染む



 日本海 太陽柱たいようちゅうが 吸い上ぐる



 愛しひと 暖炉の炎 見つめたる



 テレビから 流るゝケーナ 星冴ゆる



 見晴らしの よくなりしかな 冬木立



 降誕祭こうたんさい 父によく似た 酔っ払ひ



 水仙や 川のほとりに 楚々そそとをり



 よあけから あおひセーター 編みをりぬ



 野天風呂 落ちては消ゆる 牡丹雪ぼたんゆき



 街の灯や 聖樹せいじゅに託す 夢ひとつ



 待ちわびる 冬の星を かぞへつゝ



 雪やみて 天まで跳ねし 北狐



 書初かきぞめや 専心できず 筆を



 日向ひなたぼこ いだきし吾子あこに ほゝえみて



 朝日影 その目に眩し 木花きばなかな



 ひとり寝の 爪先にをる 行火あんかかな



 恋風と チーズフォンデュと スキー帽



 


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