第41話 草野 香織
俺とニアミスをした女性は、高校時代の友人?の
「本当に草野かよ!」
「なによ!まるで別人を見ているような顔をして!」
「いや!別人だろ!全然雰囲気が違うと言うか」
「美人になった?」
「いや、少しぽっちゃりした」
「むうっ!(怒り)」
「ボスッ!アウッ!」
草野の右ストレートが俺の脇腹にはいりますよ。
で、脇腹を押さえた俺は、唸りながら
「痛っーーー!間違いない、この右ストレートは草野だ!」
「竜君、もう一発食らいたい?」
「いや、結構です!」
俺はまだ、草野に食らった所を押さえながら草野の顔を見る。
まあ、パッと見た目は化粧をしていたので分からなかったが、確かに目元などは昔の面影がある。
「うん、確かに草野だ。いやー、しかしお前もすっかりおば‥」
「ギロッ!誰がおばさんですって!(怒)」
「いえ(恐)美人になりましたねー(棒読)」
「うむ、よろし。所で何で竜君がこんな所にいるの?」
「えっ?それは俺のセリフ。お前こそなんでここにいるんだ?」
「私?私はここの教師をしているのよ。非常勤だけどね」
俺は草野のその「教師」と言う言葉に、一瞬動きを止めると
「‥‥‥教師、へえええー、お前が教師。‥‥‥て!お前が教師いいい!!!」
「なによ。私が教師でなんでそんなに驚くのよ!」
「いやいやいや、だってお前の性格からして、て、まさか!日頃のストレスを生徒さんにぶち当てる為に教師になったと」
「はあ?それではまるで私がただの欲求不満の凶暴女じゃないの!」
「えっ?違った?」
「もー一発食らいたいみたいねー」
草野は両手を腰に置くと、俺を睨んできてますよ。けど、その目は、なぜか懐かしそうに微笑んだ目をしてます。
「所で竜君はなぜここに居るのよ?」
「えっ?あー、俺の知り合いの子がここの生徒でね、今回、学園祭で荷物が多いからその荷物持ちでね」
「荷物持ちねー(疑ぐりの目)」
「おいおい、本当だって!」
「まあ、信じたいけどねー、最近不審者が多いから。まさか!竜君がその不審者!」
「なんでそうなるんだよ!」
「だって昔から竜君は女性を見ると目の色を変えていたから(笑)」
「おい!それではまるで俺が、変質者でストーカではないかよ!」
「えっ?違った?」
さっきの仕返しとばかりに、冗談ぽく笑いながら言ってきましたよ。草野の奴は。
まあ、こいつは昔からこの様な性格だったのを俺は知っていたので、最後はお互いの顔を見ると、「プッ!」と吹いて笑いあった。
「そう言えば、お前、数年前に結婚したんだってな。遅ればせながらおめでとう」
「うん‥‥‥ありがとう。で、何かくれるの?」
「はあ?」
「祝いよ!結婚祝いの!」
「お前なー、この場でそれを言うか!」
「いいじゃないの。あっ、何か美味しい物をご馳走してくれるのもいいかも♡」
「はあ〜っ、わかりましたよ。じゃあ今度暇な時にな!」
俺が仕方ないと、ため息をすると、草野は小さくガッツポーズを取ると、俺の方に笑顔を向けた。
まあ、こいつの喜怒哀楽には結構振り回されていたからな。
なんて思っていたら、俺の後ろから聞き慣れた声がする。
「お兄さーーーん!」
「うん?あっ、柚葉!」
「車の所に行ったら、まだ車があるから、学校内にいると思って探しちゃった。お兄さん、紙袋の中に財布入っていたわよ」
「あっ!忘れていた!ありがとう柚葉」
「ううん、いいの‥‥‥///」
「うん?」
なんだか柚葉は、俺に対してモジモジと恥ずかしそうに体を少しうねらせると、
「///してほしいな。お兄さんに///」
「なにを?」
「///あたまなでなで(照れ)///」
「あ〜、うん、いいよ」
俺はよく小さい柚葉に、頭をなでる事をしていた。それを大きい柚葉もして欲しいと言うのでしてあげると、柚葉、なんだか甘い声をだしながら、
「///にゃ〜あ♡お兄さん♡///」
なんて言ってきました。
けどねー、俺の後ろに草野がいるのに気づかなかった柚葉。
で、案の定、草野はそんな俺と柚葉を見て、慌てた様に、
「あ、あ、あ、あなたたち!そ、そ、そんな関係だったの!」
「へえ?そんな関係て?」
「あっ!
「はい、おはよう‥‥‥でわなくて!あなたたちは人前でなにしてんのよ!」
「うん?頭なでなでだが?」
「竜君、やはり貴方は未成年とふ、ふ、不純異性行為を!」
「はあ?なんであたまなでなでだけでそうなるんだよ!」
「竜君は‥ロリコン‥」
「だから違うわい!」
俺、このあとコイツ、草野 香織に柚葉の事を説明することになりましたよ。
けど、柚葉、コイツの事『尾形』て言っていたな。えっ、結婚して苗字が変わった。あ〜、さいですかあ〜。
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