第11話 希世美
話がとぶが、11という数字は、俺にとって
大変に好きな数字だ。
なぜなら、希世美の生まれいでた月だからだ。
希望の世の中美しい。
希世の母がつけた。美しく優しい名前。
希世とは、あやとの旅が終わり、あやにメリークリスマスをインドから広島まで、電話をかけた後の出会いだ。
希世とは、タイとカンボジアの国境での出会った。
可愛かった、一目惚れだ。
タイで、偶然、望(もち)君と再会した、さらにネパールで出逢ったもち君と僕の共通の、友人になる、かつさんと、かつさんの彼女けいこさんとカオサンストリートのドミトリーで再会した。
もちくんと僕とかつさんの3人で、ブッダスティックを回し吸い...効いた。
かつさんとけいこさんは、「また他の場所へ旅を続ける」と。
しばらくしてもちくんが「アンコールワットに行かないか」と、誘ってくれる。
二つ返事で了承。
もちくんと再会する前に、サワディゲストハウスという洒落た安宿で(1Fパブになっている)そこで、解けかかってしまった、ドレッドを音楽を聴きながら、編み直していた。
思い出した。かつさんとけいこさんとは、ネパールはポカラ もちくんの案内してくれた、湖畔にあるファミリーピースゲストハウスで一緒になっていたのだ、何年かのちにかつさんとけいこさんと偶然、代々木公園のフェスティバル (アースデイ)で再会。
2人の間には子供が生まれた。
話を戻そう、ドレッドを編み直し続ける毎日を過ごし、カオサンストリートのドミトリーにて、もちくん達と再会。もちくんのドレッドは美しく伸びており、とても似合っていた。
アンコールワットに旅立つ前日くらいにバンコク市街の中華料理店で、北京ダックの食べ放題の情報を、ガイドブックで知る。
もちくんを誘い、トゥクトゥクを飛ばして、満足行くまで、北京ダックを食べた。
もちくんと2人、カンボジア アンコールワットへと旅に向かう。
バスに揺られたどり着いた、タイとカンボジアの国境。
希世美がいた。
あやとの恋愛を知っている、もちくんは、俺の軽薄さにうんざり顔。
ひたすらにチロムでチャラスを吸っている。
国境からカンボジアへと向かうバスの車中、僕の隣の席はもちくんから、希世へと変わる。
希世は、「ラオスを独り旅していた」のだという。日焼けした肌、薄い茶色の瞳。もうすっかり希世の虜になった、僕は車中ずぅーと、話続ける。
深夜カンボジアに到着、宿は決まっていない。すっかり僕に呆れた望正(もちくん)は僕を振った。「後はご自由に」
もちくんとは、またのちにタイで再会するのだが、その話はまた後ほど。
希世と同じ宿にした。シェムリアップだったと思う。
別々の部屋をとったが、俺は「部屋に邪魔してもいいか」と、尋ねる。
「手を出さないならいいよ」と希世はいう。
俺は希世美を求めて、希世美はそれに応えた。
朝、外を散歩しているとひとりのカンボジアの少年が、一言ポツリと言う
「I never trust you」
少年の失望した一言、でも現在この小説を書いている僕にはこう言いなおす。少年から、青年へと成長、或いは少年のままでい続ける、男からの声が聞こえたんだ「I don't trust you.But I love you」
カンボジアの、少年 13歳のボウズ頭の目のくりっとした男の子、ナット君の将来の夢は、「農夫」だという。 シモンちゃん10歳の女の子、夢は、「いい奥さん。」
そんな素朴な国だ。
希世美とのロマンスに話を戻そうと思う。
希世と僕は足早にアンコール・トムを足早に巡る、途中ラーマヤナの石で出来たレリーフを見たと思う。
アンコール・トムの寺院で希世美は、シャーマンのような老婆の話を熱心に耳を傾けていた。
足早にカンボジアを去り、僕らはタイへと戻った。
毎日愛し合った。それでも満ち足りなかった。
ある日、希世が部屋からいない。
不安になった僕はバンコクの土地勘のない市街を、探して歩く。
(もうだめだ、会えないかもしれない)脳裏によぎる。
諦め掛けていた僕は、空を見上げる。
すると、小鳥が何羽か飛んでいる、東へと進路を変える。僕はその小鳥の向かった方角へと、道を曲がる。
希世はその東に折れた、バザーの中のカフェで、紅茶かハーブティを飲んでいたと思う。
安心した。奇跡を感じた。
また、ある日は僕はどこか辛くなりバンコクの道をビニール袋に無造作に入れたペプシを買って飲んでいた。
すると不安になり、道の泥だらけの水たまりで顔を洗ったりもした。
また、物乞いに、コンドームを2個、(もうコンドームは使わない)と決心をして、あげた。
僕の神経過敏、不安神経症 統合失調症の始まりは、こんな頃から発症し始めた頃だったと思う。もちろんその頃は、統合失調症という言葉も病気も知らなかった。
世界に。シヴァ神に。女性を裏切り続ける僕に天罰を下し始めたのだろうと考えた。
破壊と創造の神 シヴァ
希世美はあと一週間で、大阪に帰ると言う。
僕はここで離れたら、二度と再会できないと思い、希世のチケットを破り捨てた。
「僕が帰国する日に一緒に帰るんだ。」
強くいい、無理矢理納得させた。
その頃もちくんとも、また偶然再会をして、
もちくんに「僕は悪いやつだ」と告げた。
次の日の朝、部屋のドアの下に一枚のメモが挟まっていた。
「君を罰してやる」そう書いてあった。
もちくんからの、愛情だ。
あくる日、僕は希世の前で、混乱して大事にしていた。ドレッドを、全て切り落とした。
しかし旅の出発前に、あっちゃんからもらった小さな鳥のペンダントだけは、大切に残していた。希世には内緒で。僕は、希世やあや。そして、あっちゃんを同時に愛していたのだ。
インドを旅していた時に、ひとりのインド人が言った。「One life one woman」
ゲストハウスで外国人がスタンドバイミーを3人で歌っていた。
僕らの旅は終わり、まず東京へと希世美と戻った。
883で246号線を渋谷までタンデムした。
一旦、大阪に希世は戻り、僕は混乱した頭を抱え、隣の人の咳払いが気になり。それでも僕は希世のふるさと、大阪 天王寺へと向かった。
希世美との同棲が始まった。
希世の母は、希世の実家でお風呂に一緒に入ることを黙認してくれた。
ちなみに生粋の天王寺育ちの希世の関西弁を僕は聞いたことがない。
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