美少女スクリーン
なんだここは?城か!?ここは…校舎が鬼のように広い…まぁ実際坂のもっと上には城跡のあるでかい公園があるらしい。聞いてないのにタクシーの運転手が言っていた。
此処は私立の高大一貫の女子高。他校に入るのは、やはり勇気がいる。でも同世代の学生がいるだけで、芸能人に会って握手したり、話したり、 推しにアピールしたり、イベントスタッフにはがされたりする訳でもなし。
4月に行ったアイドルの握手会は緊張したなぁ。新宿の地下道の書店主催の広めの空きスペースをパテーションで区切った小さい部屋での握手会。あれは緊張したけどね。アイドルの生写真を握りしめてはぁはぁしているやばいファンの隣で待たされた一時間後、ようやく出会ったアイドルの感想は。
『顔マジ小さっ!』
だった。
可愛いより先に逆三角形の顔面に面食らってしまった。顔が小さくないとメディアに出られないのですね。地下通路で一時間ほど並んでようやく握手をしてリリースしている曲最高で…ぐらい言って、無言のスタッフに剥がされたけれどね。それに比べ今はアイドルに会う訳ではないのだ。堂々としていればいい…しかし。
先輩が背が高くて助かった!そして俺がチビでで助かった… 。
今、俺は先輩の背中にくっつきながら校内を歩いている。この前の通学中の仕返しだ。女子校超怖い!通りすがる学生みんな女子なんですけどっ!当たり前でしょと先輩は笑った。
いやいやいや笑い事ではない。俺は知っている。女子が二人以上集まれば、お喋りが始まりその会話の98%が他者の悪口だということを!今どれだけの悪口が、校内で囁かれている事だろう。どうせ。超絶美少女の背中にくっついている。チキンチビ野郎の悪口でも言っているのであろう。とんだお喋り伏魔殿に迷い込んでしまったぜ。因みに2%は恋ばな///
今、先輩と我が校の文化祭の宣伝の為、他校を回っている。今日はこの女子高が宣伝先なのだ。
何故、超雄の俺が入れるのだ?暴れるぞっ!廊下ですれ違う女子たちを先輩の背中越しに睨みつけながら歩いていたが。クスクス嗤われるだけだ。ここはお金持ちが通う私立のお嬢様学校だ。守衛もいる。うちの学校とは違いセキュリティは完璧なはずなのに…何故…いいんだよ!つまみ出してくれても。帰りたいし。
しかし先輩は全て完璧にこなす超人だ。段取りも良かった。事前に学校へ電話でアポイントを取り後日、直接出向き、同校・教頭と文化祭交流の話をし、今日は、同校・生徒会長に直に同校・生徒の参加を願う為に今日を迎えている。だから会長の背中にくっついているチビのお付きには、無反応なのだ。
どうこう言っている間に着いた…。
トントン
今日は特に頼もしい先輩が、生徒会の木製アンティーク調の立派なドアをノックした。
ミッション・開始。
「どうぞ…」
「「失礼します」」
「区立錦糸橋高校生徒会長二年の上敷領 アイナです。今日はお忙しいなか貴重なお時間を割いて頂きありがとうございます。」
「ごきげんよう。どうぞ。お座り下さい」
(ごきげんよう…)
正面の机に座っている俺と同じ身長ほどの銀髪ロングの小さな少女が声を発した。
「錦糸橋高校は野球が強い男子校だった記憶しているのだが?」
銀髪の少女の左側、俺達から見て上手に直立不動で立っている180センチくらいあるからだろうかその存在感が起因する威圧感でその質問をしてきた学生の意図ではなかったのだろうが、詰問されている気がした。
(全く俺たちは裁判を受けてる被告人か…)
「キョウちゃん…まずは自己紹介をしましょう」
銀髪少女が巨人を嗜める。
「失礼しました。」
「こほん。私が和円学園の生徒会長、防人エミリです。」
「そして、この巨神兵がキョウちゃん!…じゃなかった。中川 キョウコ副会長です」
後自己紹介が終わっていないのは…俺か…
「 錦糸橋高校一年、大江コウキと言います。俺は…」
(まずい俺は、生徒会でも、文化祭実行委員でもないただのパシりのモブだ…えっと…)
「彼は私の彼氏です♪」
「「「 えっ!?」」」
先輩以外の三人の黒目が消えました…。
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