お隣の絶世の美少女がなぜか病弱な俺に構ってくるっ！？

プロローグ

　日本人は社会の空気を読む人種だと聞いた事がある。しかし、正確には自分に都合のいいようにが付け加えられるのだろう。

　最近は外国人を多く見掛ける、○糸町なんてどこの国っ！？て思ってしまう。

　そんな外国人達からジャパニーズは優しい！道に迷って困っていたら、親切に道筋を教えてくれました。とか言うコメントを訊いたりするが、しかしそれは全くの誤解だ。真に優しいのではない。自分が社会の異端者でありたくないから目立ちたくないから、出る杭はそこが見えなくなるほどに打たれるから空気を読んで社会に同化しようと優しさを演じているだけ、ムラ社会遺伝子から解放されていないだけ、空気を読んでるだけのお話。

　新型コロナウイルスの件を見ても明らかだ。率先して医療に従事して下さっている人々をバイ菌扱いをしていじめる。我々には、自己保身に起因する空気の読み合い…そういう部分がある事を決して忘れてはならない。

　危機的状況は、人の健全な精神を魂を濁らせる。と言うか本性を露にするのか。

　また芸能人や、政治家の発言で多くの人を傷付ける事がある。彼らは空気を読んでいないのだろう。政治家の笑いのセンスほどクズなものはない。発信力があるからたちが悪い、笑えない。サミットの首相のギャグめっちゃ滑ってましたね。その場で滑るだけでは飽きたらず、関係ない人まで傷付ける。後、関係ないけど関西でサミットしているのになんで関東の通学路の駅の自販機がテープで封印されているのテロ対策？意味が分からない！朝の甘い缶コーヒーを飲むというルーティーンが狂うじゃないか！

　空気の話をしていたら、なんだか息苦しくなってきた…。喘息持ちの俺は、夏が嫌いだ。夏のイメージと言えば休み、祭り、花火、海、一夏のおもひでetc。いいイメージがある人が大半であろう。しかしながら俺には物心ついた頃から苦痛の思い出しかなかった。

　喘息を持病に持っている方々の、あるあるなのだろうが、低気圧や台風が来る直前辺りから喘息が酷くなる、湿度影響なのか？因果関係はよく分からないが。

　そんな訳で高校２年生の俺は、9月中旬、最終号の台風が過ぎ去って数日後に休みがちだった学校にようやくまともに復帰した。しかし待っていたのは。体を心配する声ではなく。

　クラスの排他的な空気だった。

　係決めと言うものがある。これもあるあるなのだろう、休んで発言出来ない人間に押し付けるというクラスの欠席裁判空気のおかげさまで、俺は複数の係を持つはめになった。

　『保健委員』

『体育祭の団旗製作委員』

『体育祭の組体操の一番上』

『騎馬戦の上』

　体育祭関係が多いなぁ…はぁ…俺が背が低いからといって上に上に上げ過ぎ。まぁ来月は運動会シーズンだものね。体育祭ってマジ意味が分からない。目を血走らせながら勝ち負けに拘る運動系部活の脳筋達とマジで関わり合いたくない。アイツら競技で負けるとマジか…って引くほど目を赤くして涙目になる。こっちはハウスダストアレルギーで涙目だよっ！体育祭って…体育まで祭るんじゃないよ！全くどれだけ祭りが好きな民族なの…

　体育祭関係も懸案事項だが、現在の喫緊の課題は、保健委員だ。なんだよ保健委員って何するの？うちのクラス担任の昔アニメのスタジオで作画やっていた社会の教師に聞くと生徒の身体測定の身長体重の計測及び記録をするのだと言う。

　体調を崩しやすい俺だから保健室のお世話になっているから、恩返ししろと？

「はぁ？」

　思わず悪態をついてしまった。人手不足の世相とはいえ少子化ここに極まれりだな。学生にさせるかね普通。しかし問題はそれだけではなかった。保健委員は一人だという事だ。どう考えても大人数の男子生徒相手に一人で計測とその記録は不可能だ。

　無理だと担任に言い寄ったが、地獄のような返事が返ってきた。

「クラスの友人に頼みなさい」

「…」

　人もPCと同じで容量以上のストレスが加わるとフリーズする。ちなみに人間の鼻は脳を冷やす冷却装置らしい。

　鼻から空気を一杯吸い込みながら。心の中で叫んだ！

　俺はクラスに友人はいないっ！！！