霊感男と鈍感女。

むむ山むむスけ

第1話 新生活!いわくつきの寮

夕暮れ時―――――…


陽がかげり出すと同時に、よからぬ者達も蠢きはじめる…


電信柱の影や、子供が遊び終えた遊具の上。そして公衆トイレや郵便ポストの下の方…


奴らはどんな場所にだって平気で現れる。


俺は奴らに気がつかないフリをしながら、少し足早に先を急いだ。


いつだってそうだ。


奴らの事を『視える』とバレてしまったその瞬間、奴らはお構い無しに近寄ってくる。


助けを求める者、そちらへ引き入れようとする者、そしてとにかくひっついて来ようとする者。


どちらにせよ奴らには関わらないようにするのが、何よりもの得策だ。


だって奴らの孤独は果てしなく無限で、決して終わりなんてないのだから…


残念ながら、の成れの果てがそれである。


そしてもっと残念なのは…


俺が今日から生活するはずのこの私立 狩鴨かるがも学園の学生寮が、今までに見た事ない程の幽霊バケモノ達の巣窟だったという事だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る