第2話:俺が…佐吉?
ガラッー
「ただいま」
俺は玄関へ覗き込んで言った。
家には静けさしか返ってこない。
「(やっぱりか…)」
そう思いながら俺は颯輝そっくりな少年の履物を負ぶったまま脱がせ、家に上がった。
二階に上がり、颯輝の部屋に向かった。
ドアのプレートは表こそは可愛らしいタイルで[SATHUKI]と書かれたものだが、裏返せばマッキーで乱暴に書かれた[入ってくんな‼︎‼︎]という文字があった。
最近はその[入ってくんな‼︎‼︎]の面ばかりで、颯輝が学校に行った時を見計らって表の[SATHUKI]に直している。俺は自分の手でその面を裏返し、部屋に入った。
颯輝そっくりな少年を撮影のベッドに寝かせる。颯輝の部屋はベッドと勉強机が一緒になっている一階型のものと本棚、押入れの中にある漫画と服が入っているクローゼットのみと中学生としては随分とこざっぱりとした部屋である。
押入れの隅にはゲーム機があるが最近は早退が多くても遊んでばかりでいるという訳ではないらしく、使われていないようでうっすら埃が積もっていた。一階に降りて冷蔵庫から氷を取り出し、氷嚢を作る。二階に上がろうとした時、後ろから「澄哉‼︎」と声をかけられた。
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