第6話冬の匂い

木枯らしが吹き始め、辺りはすっかり冬モード。


近くの駅では木がライトアップされ、辺りを綺麗に照らしている。


秋は潮の匂いが風に乗っていたが、冬が近づくとだんだん潮の匂いはしなくなっていく。


そして、まだか、まだかと待ち望んでいた匂い。優しい匂い。


それが今日到来したのだ。


体は寒いのに、なぜだか心が温まり、匂いを嗅ぎたくなる冬の匂い。


そしてこの匂いを嗅ぐと無性に家に帰りたくなるのだ。

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