Beauty with no color
床町宇梨穂
Beauty with no color
彼女は本当に美しかった。
ブロンドの髪、ブルーの瞳、そして白い肌。
すべてにおいて彼女は透き通っていた。
そう、彼女の美しさは透明感だ。
でもその透明感をよりいっそう明確にしていたのは外見ではなく彼女自身の性格かもしれない。
キスは一日三回まで。
セックスは週に二回で、一回は金、土、日、のどれかにしなければならない。
デートで待ち合わせをした時は、挨拶よりも先に無意味な言葉を並べて最後にPleaseと言う。
僕は変な宗教なのかとも思ったがそうではないらしい。
とにかく決まり事が多くてそれに付き合う僕も最初はとてもイヤな気分だっが、なれてくるとそれはそれで楽しかった。
彼女の透明感というのは掴み所が無いところにあるのかもしれない。
何を考えているのかも分からない。
どこを見ているのかも分からない。
何を聞いているのかも分からない。
彼女の事は分からない事ばかりだった。
本当に美しいものというのは色が無いのかもしれない。
木曜日に生まれたのに火曜日という名前の彼女。
今でも彼女は僕の中の七不思議のひとつだ。
Beauty with no color 床町宇梨穂 @tokomachiuriho
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