Ruine

金柑

第1話

「ねえクリス、見えた?見えた?」

「いいや、まだだよ」

「ああもう、ちょっとは静かにしててくれよなラッチェ!クリスだけじゃないんだぞ、俺だって真剣に探してるのに!」


小高い丘の上。

少年達が3人、お互いの身を押しのけるように懸命に爪先立ちをしていた。

3人とも何かを探し求めているのか目を細め、眼前に広がる真っ青な海を見つめている。

彼らのうち2人はもうほとんど睨みつけているように、その視線を少しも海から動かさなかった。


時折その間を吹き抜けていくそよ風が彼らの髪の毛を揺らす。


少年らの髪は青色だ。

それも、まるでここ最近ずっと続いている晴空を吸収したかのような、清々しいまでの青さである。

そして今日の海は、その快晴を反射してきらきらと輝いていた。





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