第4話二度寝の朝 私
眠い、
どうしてこんなにも眠いのだろう。
二度寝の欲求が半端ない。
このまま布団に抱かれて眠り続けたい。
けたたましく鳴り響くアラーム音を何度消しただろう、
スヌーズ機能は役に立たない、
その回数だけ、私を不快にさせる。
だったら、最初からつけない方が良かった。
そしたら、その分深い眠りについていただろうに。
ああ、仕事に行きたくない。
どころか何もしなたくない。
このまま、
貝のように、
泥のように眠り続けたい。
時刻は7時30分。
今から布団を飛び出して準備すれば間に合う。
あと5分ーーいや、あと10分がリミット。
それ以上は許されない。
だけど、そこまで頑張って起きて準備して何になるというのか。
私は頑張っている、
いや、十分に頑張った。
毎朝、こうした二度寝戦争を繰り返しているし、
職場ではスキルアップに繋がらない仕事を、機械のようにこなしている。
彼氏にも、通い妻の如くご飯を作り、尽くしている。
ーーあぁ、私のしたいことって、こんなことなのだろうか。
朝の寝起きの不快感で、ここまで絶望思想に陥る私。
そんな私に絶望する。
こんな思考をしている暇があるなら、寝ればいいのに。
あるいはさっさと起きて、準備すればいいのに。
たぶんきっと、
これは私の、
私なりの、
時間稼ぎなのだろう。
だけれど、良くないな。
この感じ、そろそろ『やつ』が現れる状況だ。
条件は全てクリアされてしまっている。
前回はなんとか勝てたけど、今日はどうか分からない。
あぁ、嫌だな。
泣きっ面に蜂、
いや、違うか。
『やつ』は蜂なんて、叩いて潰せるようなやわな相手ではないのだから。
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