第263話10-5剣豪ソードスケルトン

 10-5剣豪ソードスケルトン


 

 『かっかっかっかっ、どうした? この俺の姿に恐れおののいたか?』


 

 ソードスケルトンは今にもショーゴさんに襲いかかろうとする!

 骨で出来た刀四本をショーゴさんに打ち込む。

 しかしショーゴさんは通常ではありえない跳躍であっさりとこの攻撃を避け、脚部に魔力を込めて上空高くから稲妻のような蹴りを入れる!



 ばぎぃんっ!



 その蹴りはあっさりと巨大ソードスケルトンの腕一本を蹴り落としショーゴさんは地面に着地する。



 『ぐおっ!? 何だとぉ!!!?』



 その破壊力にソードスケルトンは驚く。



 と、コクがあたしの袖を引く。


 「主様、時間の無駄なので私がちょっと手伝ってきます」


 そう言ってととととっとショーゴさんの近くまで歩いていく。

 そしてショーゴさんに一言言って下がらせる。


 「ショーゴさがってください、一気に片付けます」


 ショーゴさんは無言で下がるがそれを見たソードスケルトンは憤慨する。



 『おいこら貴様、どういうつもりだ? こんなガキに俺の相手をさせるつもりか!? おい、ガキじゃまだそこをどけ!』


 「もう良いでしょう? あなたには消えてもらいます」



 そう言ってコクは大きく息を吸う。


 『何を言っている? ガキ、ふざけるな!』


 ソードスケルトンはそう言ってコクに骨の刀を振り上げる。

 が、次の瞬間コクの可愛らしい口からあり得ないほどの炎が吐き出される。

 そう、黒龍のドラゴンブレスだ!



 『なっ!? なんじゃそりゃぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!』



 哀れソードスケルトンはコクのドラゴンブレスを下から受けて足を残し全てがきれいさっぱりと跡形も残さず燃え尽きてしまった。

 

 

 「えーと、やっぱり容赦ないわね‥‥‥」


 シェルはあたしの横まで来てそうぽつりとつぶやく。

 見ると周りもスケルトンは先ほどの合体でほとんどいなくなり、ゾンビやグールと言った輩も大体駆逐されてきた。

 

 まだクロさんとクロエさんが躍るようにアンデットたちをつぶしているけどその数も徐々に減っていている。

 ショーゴさんやミグロさんもあたしのそばまで来る。


 「ソードスケルトンは黒龍様のおかげで始末で来た。仲間たちを再編成して一気にリッチの居城に攻め込むぞ!」


 ミグロさんのその言葉に近くにいた仲間たちが勝利の声を上げ集まってくる。


 「主様、クロとクロエが大体アンデットどもを片付け終わりました。私たちもリッチの元へ参りましょう」

 

 コクが戻ってきてあたしにそう言う。


 「ご苦労様、コク。流石にすごいですわね」


 「えへへ~主様に褒められたぁ~」


 コクはそう言ってあたしに抱き着いてくる。

 

 「うう、コクちゃんいいなぁ」


 イオマもこっちに合流して来た。

 さてそうすると大体のメンバーが集まってきたのでいよいよ亡者の王リッチのいる居城に攻め込む事に成る。



 「急ごう主よ、ぐずぐずしていると他の死霊四天王が気付いてこちらに来る」



 ショーゴさんもそう言ってなぎなたを背にしまって周りの様子を見る。

 近くにはもうアンデットはいない。

 あれだけいた数もクロさんとクロエさんのおかげでほとんど始末で来た。



 あたしたちは隊を再編成していよいよリッチの居城へと向かうのであった。



 * * * * *


 

 『ふっふっふっ、どうやらソードスケルトンは倒されてしまったようだな? しかし奴は四天王でも二番目に弱いやつ、このオークゾンビ様がぁ ‥‥‥って、ちょっとマテ、なんだその膨大な魔力は!? おい、やめろそれは危ない、こっちくんなっ! ちょっ、 やめて、よして、やめてよしてぇえええええぇぇぇっっ!!』



 「面倒なのでとっととぶちのめしてやがります!」



 クロエさんがまたまた下着をチラ見させて足に込めた魔力を解き放つ。

 魔力の光を放つクロエさんの蹴りは見事にオークゾンビの上半身を飛散させる。


 「クロエ、黒龍様に不浄な血が飛び散ってしまう、ここはやはり焼き尽くした方が良い」


 そう言ってクロさんもオークゾンビの後ろに控えていたアンデットどもをドラゴンブレス一つできれいに焼却した。




 「ねえ、エルハイミ、本当にあたしたち何もしなくていいよね??」



 シェルが暇そうに弓の弦を引っ張ている。

 イオマも暇そうにしている。



 「いいのです、主様に手を煩わせる必要なんかないのです!」



 コクがそう可愛らしく言う。

 うーん、本当にこの三人いればあたしたち何もしなくてもいいかも。

 



 あたしはそんな事を思いながら引き続きリッチの居城へと向かうのだった。



 

  

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