第36話3-11大魔導士杯第二戦目その一

3-11大魔導士杯第二戦目その一



 昨日は何とまたまたウサ晴らし出店食べ歩きツアーであった。


 

 二日間連続は流石に来るものがあるが、みんな何故かそんな気分であった。

 どう考えても昨日のクイズは心底いやらしいものばかりだった。


 「あー、朝食が入らない!」


 テラスで朝食をとっていたティアナはサラダを少し食べただけで他には手を付けていない。

 

 「しかし殿下、本日の第二回戦は体力と魔力総量勝負ですぞ、しっかり食べておかないと競技に差し支えますぞ。」


 この中でロクドナルさんだけはモリモリと朝食を食っている。

 元気な御仁だ。

 いくら成長期の俺でも流石に今朝は小食になる。


 「で、第二回戦の内容は発表されたの?」


 スープをすくって飲むティアナはアンナさんに聞いた。


 「残念ながらまだ発表はされていませんね。午後の会場で発表することと成るそうです。」


 そう言ってアンナさんも少しだけ朝食を食べる。

 午後までぎりぎり分からないというわけか。

 仕方ないので午前は魔術研究の発表会でも見学しますか。



 見聞を広めると言う事で、午前は魔術研究発表を見る。

 そこそこためになるものの有るけど、基本的には特化した研究が中心なので一般的な面白みは少ない。

 アンナさんだけは感心したように食い入るように見ていたけど。




 さて、そんなこんなで昼食も軽めに済ませていよいよ第二回戦の為に会場に行くと・・・・



 なんじゃこりゃ!??



 会場の中心がアスレチックのようになっていて、しかも通路にはすべて水が張ってある、水路状態だ。

 出場チーム、八チームが全員会場に入ったころ、あの生徒会長ロザリナさんがマイクを手にした。



 「お集まりの紳士淑女の皆様、いよいよ『大魔導士杯』二戦目です!本日は体力と魔力総量勝負、会場は皆さんご覧になられたように会場に設置された海水を使った水路の障害物コースです。今回は純粋に体力か身体強化魔法を使っていただきながらコースをいち早く抜けたチームの勝ちという至ってシンプルなもの。途中に多少障害がありますが、チームの誰か一人でも見事ゴールすれば勝ちです。」


 観客のおおーという声がこだまする。


 「参加チームの皆様にはこれから水着に着替えていただきます。これは身体につけられる加護アイテムに頼らず、純粋に体力と身体強化魔法だけで勝負していただく為です。」


 ここにきて男性観客から一斉に更なる うぉおおおぉぉぉっっーー!! と声がこだまする。



 はぁ?

 水着だと!?

 生徒会長、何てうらやまけしからんお題を!!?


 今回残ったチームの女性比率は高い。

 しかも何故か美人さんが多い。

 

 生徒会長、まさかこれも読んでいたのか!?

 グッジョブだぞ!




 「水着ですか?」


 「水着?」


 「水着でありますか?」



 と、アンナさんはじめうちのチーム全員がクエスチョンマークを頭の上に浮かべている。

 ま、まさかみんな水着って知らないの??



 「あ、あの、アンナさんやティアナ、ロクドナルさんって水着知らないのですかしら?」


 「うん、わからない。」

 

 「文献で見たのは確か、水に入る時に着る服と書いてありましたね。」


 「お恥ずかしながら、自分も知らないですな。」



 こ、ここからかっ!?

 確かにうちの国って水遊びの習慣ないけどさ、水着知らないのか。


 「それでは参加チームの皆さん、こちらに準備した更衣室へどーぞ、着付けは生徒会のスタッフが手伝いますのでご安心を。」


 何を安心していいのかわからんけど、とにかく全員で更衣室に行く。

 もちろん男女別だけどね。


 そして、全員の着替えが終わったころ、恥ずかしがるアンナさんを引っ張り出すティアナを先頭に会場に戻る。



 ティアナは赤を基調としたワンピースハイレグの水着を着ている。ポイントとして胸のあたりに白いフリルがついていて幼い姿態でありながら女性を意識させる感じだ。ちなみに赤い髪の毛は左右にお団子にされていて緑のリボンでまとめられている。白い肌にすらっとした手足は誰が見ても将来がものすごく楽しみだ。


 

 俺は白の水着でやはりワンピース、腰のあたりにフリルのスカートがついている。ポイントとして胸のあたりにチェックの柄がデザインで入っている。まだまだ幼児体系であるが、最近また手足が伸びた感じがする。金色の髪の毛は一つのお団子にまとめられていて、お花の髪飾りをつけられた。

 なんか生徒会のスタッフはこう言ったお着替えセンス楽しみながらやってくれるな。



 そして真打、アンナさんは何と黒のビキニである!

 もちろんハイレグで重要な部分を隠す布以外は縄紐で、しかもポイントとして縄紐は赤ときていいる。

 その豊満な胸ははち切れんばかりに黒い水着を押し上げている。

 長い藍色の髪は三つ編みにされ背中に一本でまとめられている。

 恥ずかしさのあまりにその白い肌はやや朱色に染まっている。



 あー、着替えで忙しくて今初めてまじまじ見るけど、眼福、眼福。

 思わず心の中で拝んでしまった。

 流石アンナさん、良いものをお持ちだ。



 「はっはっはっ、水着とはかくも心もとないものなのですな!」


 そう言って戻ってきたロクドナルさんは・・・

 筋肉ムキムキの三角競泳水着じゃねーか!!

 やめて、その股間のふくらみっ!!


 視線に困ったアンナさんなんか恥ずかしさのあまり下向いたままじゃん!


 会場を見渡すと、他のチームも女性はものすごくデザイン的で、セクシーなものが多い。

 男性は・・・めんどいので端折る。


 着替え終わった参加チームに男性観客は絶賛の声を上げる!



 いや、わかるよ。

 俺も他のチームの女性見ながら鼻息荒くなったもん。 

 各チーム水着になっている女性陣はみんな美人さんぞろい、しかもその人々にベストマッチのと思われる水着を着用している。

 再度生徒会グッジョブ!!


 あー、なんか競技そっちのけで水着の女性眺めていたい。

 


 そんな前座を満足そうに見ていた生徒会長ロザリナさんはいよいよ第二回戦を開始させる。


 「参加チームの皆さん、着替えは終わったようですね!それでは第二回戦、体力と魔力総量勝負を始めます。八チーム四組で順番に障害物コースに入っていただきますので、まずはホリゾンチームとユグリアチームお願いします!」



 どうやらコースへは一斉に入るのではなく、対戦チームごとに入るようである。


 ホリゾンチームは野郎だらけ、対するユグリアチームにはエルフを含める女性が三人、男性が一人である。

 ホリゾンの野郎はどうでもいい、ここで負けてくれれば先日のうっ憤も晴れるのだが。

 対してユグリアチームはエルフの女性が二人もいる。

 やっぱりきれいだなぁ~、ただ、胸は二人とも控えめだ。


 一般的にエルフはきゃしゃでやせた感じの人が多い。

 無論女性もふくよかな感じはほとんどいないのでどちらかと言うと、つるぺたーんが多いらしい。

 でも、小さいのも良いものだ、希少価値があるのだよ!貧乳はステータスなのだよ!


 二人とも緑を基調としたビキニというのがまたエルフっぽい。

 あと一人の女性はやはり年の頃アンナさんと同じぐらいで、こちらは豊満なものをお持ちだ。

 アンナさん以上か!?

 エルフとのギャップがあるが、その体つきは狩人のように引き締まっている。

 茶色い髪にやや浅黒い肌が紫のビキニが良く似合っていて、物腰もなんとなく鋭い。


 

 「それでは、第二回戦体力と魔力総量勝負はじめっ!」


 生徒会長の合図をもとに各チーム魔法の詠唱を始める。


 先に呪文が完成したユグリアチーム、男性を先頭に女性、エルフの二人組が続きコースに入っていった。

 水深は腰のあたりまでのようだ、溺れるような事は無い深さだが、これはかなりの抵抗になるので進行はきついだろう。


 やや遅れたホリゾンチームは何と騎馬戦の様な隊陣を組んでコースに突入する。


 ユグリアチームは水の精霊に干渉しながら男性が先頭に障害物を押しのけ進んでいる。

 網だの邪魔な浮きを押しのけ順調に進行する。

 と、ここでその進行速度が著しく落ちる。



 水路の海水が流れ出した??



 見ると流れるプールのように水が流れ始めた。

 ただでさえ抵抗がきついのに水流付きか!?


 慌てて追加で魔法を唱えるエルフの二人、しかしそんなユグリアチームに異変が起こる。

 先頭を進んでいた男性がいきなり足を滑らせず水面に倒れる。

 と、今度は続いていた女性が悲鳴を上げる。


 なんと、ビキニの上が剥がれたのだ!


 それだけではない、どうやら何かが足に絡まって動きを制し始めたようだ。

 それは後ろにいたエルフ二人にも襲いかかったようだ。


 悲鳴を上げるエルフたち。

 次々とビキニの上がはぎとられる。

 

 何が起こったのか、男性は顔に何か張り付けられた状態でドザエモン状態でで後ろに流される。


 悲鳴を上げた三人の女性にからまったモノは何とタコ!!


 大きさ的には人の頭位だが、その数が多い。

 うにょうにょと彼女たちに絡みつき、衣服を引っぺがしていく。



 なんというエロゲー展開!!??



 「おおっと、ユグリアチーム、魔のクラーケン海域に突入かぁ!!」


 司会の生徒会長はノリノリで実況中継する。

 

 「ご安心ください、このクラーケンは魔素が好物で人間には襲いつきません。ただし強化魔法で身体強化するとその魔素を捕食しようと絡みついてきます。抜け出す方法は一つ、純粋に体力のみでこの海域を突破すればいいのです!」


 お約束の解説が入る。



 「いやぁぁ、ら、らめぇええぇ!!」


 「ああぁぁんんっ、そこはだめなのぉおおぉぉっ!!」


 「やめろ、くっこんな辱めを受けるならいっそ殺せ!!あんっ!」


 大切な部分はしっかりタコが絡みついて見えないが、悲鳴が怪しい音色に変わりつつある。

 しかも、くっころ!まで聞けるとはサービス満点ではないか!?


 ユグリアチームから目が離せない俺だったが、そんなユグリアチームの脇を何とホリゾンチームが騎馬で通り過ぎていく。


 どういうことだ?

 強化魔法使っているんじゃないか!!??


 「はははっ!先に行かせてもらうぞ!!」


 宮廷魔術師見習いとは言え軍事国家のホリゾン帝国、鍛え方は伊達じゃないと言う事か!?

 純粋に体力勝負でここまで来ていたのか!?



 ビエムの笑い声と共に騎馬は各種障害を越えてどんどんとゴールへと近づく。


 と、ここで馬をやっていた仲間が力尽きたのだろうか、一挙に脱落していく。

 しかし、力を温存していたビエムはまだまだ元気、そこから一気に自分に身体強化の魔法をかけてゴールする。



 「勝者ホリゾンチーム!」


 生徒会長の宣言でこの勝負はホリゾンチームの勝ちとなった。

 

 観客の大歓声。

 

 これが第二回戦なのか!?

 戦慄を覚えながらティアナやアンナさんを見る。

 うあー、目が笑っていない!?


 「おのれ、ホリゾン!私たちがその首とってくれる!!」


 「あんなのがいるなんて、不潔だわ、許せない!」

 

 「婦女子をそのままにゴールするとは、いかに勝負とは言え騎士の風上にも置けん!」


 なんか三者三様のお怒りですね~。


 さて、どうやって攻略したものか ?

  

  

  

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