昼萎・露前(ひるなえ・ろまえ)

お昼に、それは萎えていた。


朝や夜には大体、いきり立つのだけれど、


昼時には萎えている。


大事に包んでいる者もいれば、人前で顕にする者もいる。


縦に割く者もいれば、鉄串を通すものもいる。


握ったり、叩いたり、擦ったり、濡らしたり、撫でたり、弄ったり、嬲ったり、濡らしたり、


色々出来る、それは純粋に素晴らしき物だった。


それは白かったり、黒かったり、赤かったりして、


被せたり、被せなかったり、


硬かったり、柔らかかったり、


光らせたり、光らせなかったり、


埋め込んだり、埋め込まなかったりして、


就中、それは貴い物であった。


本来は、千切ったり、断ち切ったりしてはいけないのだが、


最中に、折れてしまったりもする。


「意志」とは本当に扱いづらいものですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る