切り替え
――夢、だったのだ。きっと。
着替えながら出した結論はそれだ。
昨日、告白できなくて、悩んでいた1日は夢だったんだ。
――朝、教室を捜してもいなかったことも、休み時間に声をかける勇気がなかったことも、放課後はミサのクラスの方が早く帰りの会が終わって声をかけられなかったことも、夢だったんだ。
……妙にリアルに覚えているが、これは夢だったんだ。
自分で言いながら、納得できないところが不思議だが、そう言い聞かせないと頭が整理できないし、行動もできないからそういうことにしておく。
おれの昨日の夢は、こういうことだ。夢の中で夢を見ていて、そこではおれは告白することに成功する。しかしその後、起きる。そして、今度こそ、告白しようとするが、できずに失敗して、家に帰ってくる。そして寝落ちする。――という夢だ。
夢の中で夢を見るのも不思議な話だが、そういうことになる、としかいいようがない。
そうして無理やり納得させ、頭が整理できたら、次のするべき行動は決まった。
――告白するんだ。
もう夢の中で、告白することの成功と失敗を経験している。あとは、現実で成功するだけだ。
夢の失敗も参考にし、成功しようと強く決意した。
そんな決意をしている間に、学校に到着した。
七時五十分。
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